FFベースに生まれ変わるクラウン、中古でねらい目のFRクラウンはどれだ?

■11代目は最後の直6クラウン

 1999年9月に登場した11代目クラウンは「新世紀クラウン」と呼ばれ、キャッチコピーは「21世紀へ。このクラウンで行く。」だった。このモデルから走りに磨きをかけたアスリートを設定した。

 パッケージを一新し、エンジンを車両の中心に寄せ、燃料タンクを後席床下に収納することによりヨー慣性モーメントを減少させ、優れた操縦性・走行安定性を実現するとともに、ラゲージスペースを拡大させたのが特徴。

 同時に、着座位置を上げて全高を高くとり、キャビンを広げることにより、前席、後席とも、足元、肩回り、頭上にゆったりとした空間を確保している。また、ドア構造を高剛性サッシュタイプとすることで、ビッグキャビンの大型ドアに対応するとともに、重厚なドア開閉フィーリングと静粛性をレベルアップしている。

 搭載するエンジンはデビュー時、4L V型8気筒DOHCを筆頭に、3L直列6気筒DOHC。そして2.5L直列6気筒ターボ&DOHCの4種類で、直列エンジンを搭載した最後のクラウンとなった。

 現在の中古車相場はロイヤルの平均価格約46万4000円で、価格帯は約19万~約88万円。一方、アスリートは平均価格が約97万4000円、価格帯は約24万8000~約498万円。アスリートのみに搭載されていた2.5L直6ターボの影響でいまだに100万円以上のクルマが豊富だ。

 最高価格車はヤマハがサスペンションなどをチューンした300台限定のアスリートVX。このクルマに出会えることがレアな体験だ。

■12代目は若返りを図った「ゼロクラウン」

 12代目のクラウンは2003年12月に登場。プラットフォームをはじめエンジン、サスペンションなど主要コンポーネントを一新。躍動感あるスタイル、卓越した車両運動性能、世界トップレベルの安全・環境性能、最先端の様々な技術・快適装備により、トヨタの高級セダンの新しい潮流を提示した。そこで、広告でのキャッチコピーから「ゼロクラウン」と呼ばれた。

 新開発のプラットフォームには「書の勢い」をモチーフとしたサイドビューに代表される気品と躍動感の演出とともに、キャビンを動きのあるシルエットのボディを採用している。

 視点の上下移動を抑えたフラットな乗り心地を念頭に、力強い動力性能、優れた操縦性・走行安定性の実現し、意のままの走りを可能とする卓越した車両運動性能を追求している。

 アスリートは、メッシュタイプのフロントグリル、丸型のリアコンビネーションランプとともに、専用の18インチアルミホイール、前後バンパースポイラー、サイドロッカーモール、リアスポイラーの採用により、精悍さとスポーティ感を強調した。

 搭載されるエンジンは3L V型6気筒DOHCと2.5L V型6気筒DOHCの2種類。組み合わされるトランスミッションは3Lが6速AT、2.5Lは5速ATだった。そして、一部グレードにブレーキペダルが急速度で踏み込まれると同時に、モーターにより前席のシートベルトを巻き取り、乗員の初期拘束性能を高める緊急ブレーキ連動式のプリクラッシュセーフティシステムを搭載している。

 中古車の状況を見てみるとロイヤルは約270台流通していて、平均価格は約36万円、価格帯は約15万~約88万円。一方、アスリートは約315台流通していて、平均価格は約46万4000、価格帯は約16万5000~約205万円となっている。

■フルハイブリッド仕様が追加された13代目

 2008年に登場した13代目クラウンは、ロイヤル、アスリートに加えてハイブリッドが追加された。

 クラウン伝統の資質を受け継ぎながら、先進の技術を積極的に取り入れ、世界基準の性能を確保しつつ、日本人の感性と調和する魅力を備えた高級セダンを目指して開発されている。

 先代のゼロクラウンを踏襲しつつ、トヨタ車のデザインフィロソフィーである「VIBRANT CLARITY(活き活き・明快)」に基づき、クリーンな表情と存在感のあるフォルムを両立したスタイルが特徴。

 ハイブリッドには、視認性に優れたTFT液晶を使った当時世界初のファイングラフィックメーターを標準装備するなど先進性も光る。また安全装備でもドライバーの眼の開閉状態を検知する機能を追加した、世界初の進化した「ドライバーモニター付きプリクラッシュセーフティシステム(ミリ波レーダー方式)」を設定している。

 搭載するエンジンはロイヤルが2.5L、3LのV型6気筒。アスリートは2.5L、そして3.5LV型6気筒エンジン。組み合わされるトランスミッションは6速ATとなっている。

 現在の中古車事情を見てみるとロイヤルは約380台流通していて、平均価格は約78万4000円。価格帯は約35万~約187万円。一方、約590台流通しているアスリートの平均価格は約96万5000円、価格帯は約30万~約218万円。ちなみにクラウンハイブリッドの中古車は約160台流通していて、平均価格は約93万円。価格帯は約49万~約228万円だ。

次ページは : ■ロイヤルとアスリートのデザイン差別化が進んだ14代目

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