■英国勢の圧倒的強さ!
●第1位:ロールスロイス・カリナン
1位は文句なしにロールスロイスカリナンだ。ファントムやゴーストと同じ専用のアルミニウムボディ骨格を持つ初のSUVで、全長5.3m超、全高1.8m超、全幅2mというビッグサイズ。もっともファントムでも全高は1.65mもあってミッドレンジSUV級だけれど。
とにかくカリナンのオールマイティぶりは凄まじい。街乗りはファントムより快適だと思えるくらいだし、高速道路では最高のGTになる。
そのうえ砂利道、泥道、砂漠、なんでも来い。実際にそんな道をオウナーが走るかどうかは別にして、悪路走破性は超一級だ(経験談)。
予算と駐車場事情さえ許されるのであればカリナンの特にブラックバッジは世界最高のパーソナルカーになると思う。
●第2位:ランドローバー・レンジローバー
2位も同じくイギリスから。これはもう老舗中の老舗、というか高級SUVの元祖というべきレンジローバーだ。ひと昔前(20世紀)に高級SUVといえばレンジローバーしかなかった。砂漠のロールスロイスと呼ばれたものだが、本家本元が出してしまったものだからもう呼べない。
とはいえ悪路走破性は未だ絶品。最新モデルではロールスロイスに負けないボディサイズ(ロング仕様)、ユニークで押しの強いデザイン、内外装の見栄え質感も手に入れて価格もかなりアップしたというのに発表直後から大人気になっている。
プラグインハイブリッドからV8まで幅広いパワートレーン構成も魅力の一つだが、今ではグレードによって受注制限があるほど。エクステリアデザインを軽快にアレンジした人気のレンジローバースポーツも新世代モデルが登場した。
●第3位:アストンマーティン・DBX
さらに英国勢が続く。貴族×ハンティングの歴史がレンジローバーのような高級SUVを必要としたので、上位陣をイギリス車が独占というのもある意味当然だろうか。このあたり、超実用で進化したアメリカ勢と対照的で面白い(セダンの歴史もそうだった)。
で、その3位はアストンマーティン・DBXだ。実を言うとこのクルマ、SUV界にあってかなり異質な存在だと思っている。というのもその乗り味がまるでSUVらしくないから。
ただ視線が高いだけのスポーツカーのようで、SUVらしい余裕たっぷりの乗り味を好む人にはまるで向かない。けれども逆にいうとたとえSUVでも意のままに動かしたい人にはもってこい。ある意味、デイリーSUVとしても優秀だ。
デビューしたばかりのDBX707はDBXの542ps/700Nmに対し、707ps/900Nm(4L、V8ツインターボ)とスーパーカー級の性能を誇る。フェラーリプロサングエの格好の対抗馬になるはず。
●第4位:BMWアルピナ・XB7
4位になってようやく非英国車がランクインした。アルピナBMW XB7だ。
アルピナは創立者の意思もあってBMWのSUVラインナップがどれだけ充実してもそのアルピナ仕様を長らく作ることはなかった。けれども息子世代となってSUVのアルピナ化を積極的に推し進めるようだ。
第三弾が最上級モデルX7ベースのアルピナだ。その上質なドライブフィールは乗り込んで数メートルも走ればはっきりとわかるほど。
アルピナといえば脚のセッティングが絶妙なブランドだが、XB7でもそれは変わらない。大径ホイールを見事に履きこなす。独自のチューンを施したV8ツインターボエンジンとのマッチングもよく、巨体を思うままに走らせることができる。
ノーマルのX7も含めて上位にランキングは当然の大型SUVだ。もっともBMWのSUVにしたところでそのクロカン的な血筋はランドローバーに求められるのだが。
●第5位:ランボルギーニ・ウルス
5位にはイタリアのランボルギーニウルスがランクインした。ポルシェと同じグループというだけあって儲かるSUV戦略に抜かりはなく、ウルス導入を機に会社を一気に倍の規模へと成長させている。18年のデビューからその人気は全く衰えず。累計生産台数も2万台に迫っている。
VWアウディグループと車台を共有した。つまりポルシェカイエンやベントレー ベンテイガと姉妹というわけだが、流石にドライブフィールはまるで違う。
ウルスはランボルギーニだけあってその走りもはっきりと過激でスーパーだ。それでいて街乗りにも使える柔軟性も併せ持っているのだから、4枚ドアのファミリースーパーカーとしても人気というのは当然か。
今年中にマイナーチェンジが予定されており、さらに来年にはプラグインハイブリッドグレードも登場予定だ。
●第6位:ランドローバー・ディフェンダー
ここまで超高級モデルばかりが続いたが、昨年登場し、我々メディアをあっと驚かせた、まだしもアフォーダブルな本格SUVを6位としてみた。レンジローバーを作っているランドローバーから昔の名前で登場した新型車ディフェンダーだ(またしても英国車か)。
先代のディフェンダーは初期のランドローバーを彷彿とさせる硬派ぶりで普通の人が乗りこなすには勇気のいる超本格派のクロカンだったが、新型はそのイメージをモダンにリデザインし、尚且つ乗りやすく、さらにオフロード性能にも磨きをかけて登場したから人気が出ないはずもない。
全長こそ5m以下だが、幅も高さも2m。およそ日本市場向きではないサイズにもかかわらず、デビュー直後から大いに売れた。実際、その乗り味は街乗りから高速道路まで、ほとんどレンジローバー級。それでいて価格は500万円台半ばから、というから人気の理由もうなずける。
●第7位:キャデラック・エスカレード
あまりに英国車贔屓か、と思ったわけではないけれど、7位はアメリカ車のキャデラックエスカレードだ。最新モデルは全長5.4mの巨漢。幅、高さともに2m級でアメリカにおけるフルサイズとはこの大きさを指す。バックギアをほとんど使わない国だからこそ使えるクルマというわけか。
新型はもはやアメリカンSUVとは思えない乗り味をみせ、長距離ドライブもなんなくこなす。6.2リッターのV8エンジンながら10ATで、高速燃費は意外にリーズナブルだった。今最も押し出しの強いSUVだと言っていい。
●第8位:ベントレー・ベンテイガ
8位にはまたまた英国の老舗ブランドSUVを推す。ベントレーのベンテイガだ。
つい最近、ロングホイールベースモデルも登場し、名実ともにブランドのフラッグシップモデルとなった。そう今やSUVがブランドの番を張る時代になったというわけだ。V6ハイブリッドからW12まで、パワートレーンの種類も多い。
●第9位:メルセデスベンツ・Gクラス
9位には日本で最も人気のあるSUV、メルセデスベンツGクラスを挙げておく。
現行モデルとなって随分とモダンな乗り味になった、とはいうものの、まだまだドライブフィールはクロカンっぽくてユニーク。これが乗りやすいと感じる人も多いというのだから人はつくづく慣れる動物だと改めて思う。
●SUV世界ランキング
1位:ロールスロイスカリナン
2位:レンジローバー(スポーツ含む)
3位:アストンマーティンDBX
4位:アルピナBMW XB7
5位:ランボルギーニウルス
6位:ランドローバーディフェンダー
7位:キャデラックエスカレード
8位:ベントレーベンテイガ
9位:MベンツGクラス
※参考:フェラーリプロサングエは10位
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