世の中には、とびきり個性的で高価なモデルから、没個性ながらコストパフォーマンスの高さで評価されるものまで、数え切れないほど多くの車種が存在する。そんななか、しっかり個性があり、なおかつ価格面でも満足できる内容があっても、そこまで有名ではないクルマも意外に多い。この記事では、そうした穴場的モデルにスポットを当てて紹介していこう。
文/長谷川 敦、写真/ダイハツ、トヨタ、ホンダ、スズキ、Newspress USA
【画像ギャラリー】選択肢に入れても損はない高配当車をチェックしよう(13枚)画像ギャラリー超穴場なお買い得モデル 「ダイハツ アルティス」
2000年、ダイハツから同社のフラグシップモデルとなる4ドアセダンが発売された。「Altitude(高い地位)」という英語から作られた「アルティス」の名を持つそのセダンは、当時ダイハツと提携関係にあったトヨタのカムリがOEM供給されたもので、ベースとなった6代目カムリが代変わりする2001年まで販売。事情が事情だけに仕方ない点はあるが、短命に終わったモデルだ。
2001年には2代目アルティスが登場。今回もカムリのバッジモデルであり、以後アルティスは、現在に至るまでカムリのダイハツ版である点に変わりはない。
現在ダイハツはトヨタの完全子会社となっていて、両社の協力関係はそれ以前よりさらに強化されている。そのためお互いのOEM供給も盛んで、トヨタのパッソ、ルーミー、ピクシスシリーズなどがダイハツ製だ。
そして現行型のアルティスは2017年にデビュー。もちろんカムリのモデルチェンジに合わせた登場であり、現行5代目アルティスは10代目カムリとほとんど同じクルマと言って差し支えない。
だが、アルティスの知名度がカムリに比べてだいぶ低いのも事実だ。実際、この記事でアルティスの存在を知った、あるいは再認識したという人も多いはず。他のダイハツ車ラインナップからやや浮いている感さえあるアルティスだが、実はカムリに比べてお買い得な面がある。
現行アルティスのラインナップはFFとE-Fourの2種で、カムリではGグレードにあたる。ベーシックなFFで比べると、アルティスの価格が405万3000円に対してカムリは379万4000円(いずれも消費税込み)と、カムリのほうが安い。
しかし、アルティスにはカムリでオプション設定になる電動チルト&テレスコピックステアリングやシートヒーターなどが標準装備されていて、これをすべてカムリに装備するとアルティスが数万円お得になるのだ。だが、カムリでは設定可能なコネクテッドシステムなどがアルティスでは装着できず、この点では少し不利と言える。
アルティスの魅力はその希少性にもある。なにしろカムリに対するアルティスの売り上げはわずか0.5%と少ない。これだけを見るとマイナスポイントにも思えるが、今や貴重なセダンでさらにカムリのOEMという希少車なのを個性と考えることもできる。品質はカムリそのものなので折り紙付きで、価格面でも割高感はない。こんなモデルこそが穴場カーと言えるだろう。
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