日産の「光」と「影」かつて時代を制したコンパクト御三家の行方

■なぜルノーのモデルを売らないのか?

そこで不思議なのが、せっかくのルノー・日産アライアンスが思ったほど機能していないこと。規模のメリットを追求するなら、とりわけコンパクトカークラスではもっとルノーとのコラボを活用すべきなんじゃないの、という疑問だ。

試しに、ルノー・ジャポンのホームページを見てほしい。トゥインゴ、キャプチャー、カングーあたりがトップページに出てくる。

この3台と、マーチ、ジューク、キューブを比べたら、どう考えたってルノーのラインナップのほうが商品性が高い。もちろん、輸入車だから価格は割高ではあるのだけれど、本来なら日産放置三兄弟はこういった魅力的なクルマに世代交代してるべきなんじゃないでしょうか?

2014年のジュネーブショーでワールドプレミア、2016年7月に日本で発表されたルノー・トゥインゴ。個性的なスタイルとリアエンジン・リアドライブの駆動方式が特徴

さらに、日産本家も欧州市場ではマイクラなんていうBセグコンパクトがあって、これもなかなか魅力的。日産の人に聞くと「ノートとかぶる」とか「3ナンバーになっちゃう」とかいろいろ日本市場に導入できない言い訳をするが、自動ブレーキもつかない10年選手を売り続けるより、日本のユーザーはよっぽど歓迎するんじゃないかと思う。

2013年のジュネーブショーで発表、2014年より日本発売となったルノー・キャプチャー。コンパクトSUVで欧州ではヒット中。直3、0.9Lターボと、直4、1.2Lターボ、それに直4、1.5Lディーゼルをラインアップする

根本的な問題は日産のグローバル戦略の中で日本市場の重要性が低いことなのだろうが、その事情は競合他社も同じこと。ノートe‐POWERなど、日産手持ちのリソースを上手に使いまわして少ない投資で大きな成果を挙げた戦術的な成功例もあるわけで、要は「頭は使いよう」だ。

ぜひとも、日産にはもうひと頑張りしてほしいものでございます。

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