アルトワークス VS up!GTI
価格はアルトワークス約151万円に対して、up!GTIが約220万円。両車ともエンジンは3気筒ターボで最大出力はアルトワークスの64psに対してup!GTIは116psだ。
軽自動車は自主規制があるからパワー比較するのは酷だが、up!GTIのエンジンはちょっと荒々しく、GTIであることをはっきり感じさせてくれる。
対するアルトは670㎏という超軽量車重も後押しし、特にスタートダッシュで抜群のパフォーマンス。ハンドリングの応答性もup!GTIに比べ明らかに鋭く速い。
ただし、自立直進性とハンドリングのしなやかさはup!GTIで、車重のあるほうが質感が出る。室内の静粛性も高い。up!GTIは3気筒っぽくないスポーティな排気音が室内までしっかり届けられ、それ以外もロードノイズを含めて耳障りでない。アルトワークスは走りに特化したモデルであり、このあたりを求めるのは酷というもの。
では、up!GTIは走りに特化していないのか? というとそれも違う。両車ともにハンドリングにこだわっているのだが、日本の軽規格で作られたアルトワークスとはクオリティに差がある。
いわば“欧州の軽”と日本の軽という差を比較すると、やはりアルトワークスが下剋上を果たすのは、厳しいものがある。
[TEXT/松田秀士]
WRX STI VS アルファロメオジュリア
手ごろなサイズの車体にハイパワーエンジンを積んだ4ドアセダンという、キャラ的にはかぶる2台の組み合わせだが、なにせ価格が3倍近くも違う(※WRX STI:386万6400円、ジュリア クアドリフォリオ:1132万円)ので、実力の違いも推して知るべし。
WRXの高性能ぶりはすでにご存知のことだろうが、相手はもっとすごくてどこにも勝ち目はない。
ベースのジュリアも想像をはるかに上回るほどよくできていてビックリしたものだが、別格的な存在であるクアドリフォリオの強烈なパンチの効いたエンジンと、驚くほど俊敏なハンドリングを実現した超刺激的なドライブフィールは相当なもの。それをどこにも破綻をきたすことなくまとめあげているのも、たいしたものだ。
価格からするとベンツ C63やBMW M3、アウディ RS4あたりを仮想敵としていることに違いないが、彼らですら霞むほどのインパクトがある。
ただし、WRXがすごいのは、この価格でこれほどの性能を実現したところだ。世界中探してもこんなクルマはない。その点では大いに誇れる。DCCD(ドライバーズ・コントロール・センターデフ)のように画期的な独自のデバイスを持つのも特筆できる。
ハンドリングの味つけは基本的にはスポーティだが意外と安定指向な面も垣間見える。全天候型のハイパフォーマンスカーであり、条件が悪くなるほど真価を発揮するクルマゆえ、状況によってジュリアをしのぐ走りを見せてくれることも期待できる。
ジュリアへの下克上はかなわなくても、WRXにはWRXのゆるぎない大きな存在価値がある。
[TEXT/岡本幸一郎]
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