「万人に最適」は難しい
シート形状もそうだが、身体のサイズや好みなど、人それぞれに違うことなので、万人にとって「いいステアリングホイール」というのは、なかなか難しい。かつては、MOMOやナルディといった名門ブランド製のステアリングホイールに交換している方も多かったが、現在の新型車は、ステアリングホイールに、エアバッグをはじめとして各種スイッチやバイブレーション機能、ヒーターなど、あらゆる装置が仕込まれているため、好きなメーカーのステアリングホイールへ交換することは非常に困難。チルトやテレスコピックで上下や前後の位置調節はできても、ステアリングホイールの外径と太さは変更が効かない。
そっと手を添えておくだけで、力を入れなくともステアリングの保持ができ、切るときにも滑りがなく、正確に操舵ができる。そうしたステアリングホイールをよく、「ステアリングホイールが自然と手に吸い付く」と表現するが、それには、外径や太さの他にも、表皮の素材が大切。本革巻きやアルカンターラ、ナッパレザーなど、様々な種類があるが、それもユーザーの好みが大きく関係する。
形状に関しては、シートにしろステアリングホイールにしろ、人間工学的に中間をとった形状となっているのだが、人によっては、どうしても合わないこともある。新型車でも中古車でも、クルマを購入する際は、少なくとも運転席には座って、ステアリングホイールのグリップ太さや素材感、シート形状を確認してから購入を決めるようにしてほしい。
消えるのが先か、「万人に最適」が開発されるのが先か!??
昨今は、特定の条件下で「ハンズオフ」ができる機能を有したクルマが登場し始めており、いよいよ合法的に、(ある条件下と特定のクルマにおいては)ステアリングホイールから手を放せる時代がやってきた。しかし本格的な自動運転はまだ遠く、ステアリングホイール自体が不要となる時代は、まだまだ先になるだろう。
ステアリングホイールが消える(自動運転時に格納される)のが先か、どなたにも最適な形状・素材のステアリングホイールが開発されるのが先か、ステアリングホイールの進化も楽しみだ。
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