■国内BEV専用工場の発表はBEV販売への自信の表れ
スバルは5月の決算発表において国内生産体制の再編計画を開示し、2023年度からの5年間で電動化へ2500億円の設備投資、2027年までには大泉工場にBEV専用の国内工場を建設する方針を発表し、驚かせました。
水平対向エンジンを強みとする同社は、国内の自動車メーカーにおいて最もBEVとの距離が遠いイメージが定着していたでしょう。
ところがどこよりも早く、BEV専用新工場の建設を決断したのです。
これは、同社がBEV販売への自信を持ち始めた証だと筆者は受け止めています。
AWD+水平対向エンジンのスバルらしい走破性や走行フィーリングが、電気の制御でより高く表現できる。
そんな新しい価値を提供できるという手応えをソルテラから学び、BEVの魅力に目覚めた様子です。
最近ではカリフォルニアのZEV法(一定の比率の新車販売をBEVなどのゼロエミッション車に置き換える法律)の長期規制プランが公開され、その目標の高さに驚かされました。
ZEV法を準拠する米国12の州は、まさにスバルがお得意とする北東、北西のスノーベルト(雪が多い地域)に多く存在しています。
この地域は富裕層が多く、雪に強いスバルAWDのBEVが選ばれる時代が訪れるかもしれません。
スバルにとって危機ではなく、チャンスであることに経営の意識が変わったように見えます。
●中西孝樹(なかにしたかき):オレゴン大学卒。1994年より自動車産業調査に従事し、国内外多数の経済誌で人気アナリスト1位を獲得。著書多数
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