「共同開発」で相手の約4倍!! トヨタ「GR86」
2021年に「GR」ブランドとなって登場した「GR86」。先代の「86」同様、スバルとの共同開発で誕生したモデルで、スバル版は「BRZ」だ。共同開発ではあるが、基本的にはスバルが開発したモデルで、生産もスバル。2021年の日本カーオブザイヤーでは、日産のノートシリーズにつづいて2位の評価を得たモデルでもある。
そんなGR86の2022年1月~5月までの販売台数は、7,585台。BRZの同期間が2,050台であるので、BRZの3.7倍にもなる。BRZ/GR86のようなスポーツカーを購入する顧客層であれば、もうちょっとBRZの比率が多くてもいいような気がしたが、このような結果だった。
「GR」ブランドとなったことが功を奏したのかと思い、先代でも比較してみたが、フルモデルチェンジ前の2020年年間の販売台数で、BRZが997台であるのに対し、86は3,938台と、86がBRZのおよそ3.9倍。先代BRZは2020年の11月末をもって生産終了となっているので(86は2021年10月まで販売された)、2020年年間の比較では、1か月ほど86よりも販売期間が少なくなってはいるが、やはり現行同様の比率だといえるだろう(販売台数データはいずれも自販連より)。
日産にもあった!! 本家の3倍以上売れたこともあった「モコ」
現行モデルではないが、日産にも、本家よりも爆売れしたOEM車があった。2002年~2016年までの14年間に3世代が販売された、軽トールワゴンの「モコ」だ。本家はスズキの「MRワゴン」。実質的には日産初の軽自動車となったモコは、1999年、日産の経営危機に際し発表された「日産リバイバルプラン」のひとつとして、導入された。
そんなモコの販売台数は、販売終了前年の2015年年間で、21,566台。一方、同期間のMRワゴンは6,516台と、モコがMRワゴンの約3.3倍(販売台数はいずれも自販連より)。2015年以前では、(3.3倍よりも)差が少ない年もあるが、それでも2倍程度の差で、モコのほうが売れていた。
◆ ◆ ◆
OEMは、供給する側もメリットが大きい。今回取り上げたように、OEM車は、軽自動車やコンパクトカー、商用車に多いが、一般的な乗用車よりも薄利多売となりやすいこれらのクルマは、OEM供給をすることで工場の稼働率を高めることができる。BRZ/86のような共同開発も、開発費を折半できるため、両者にメリットがある。効率を求め、今後OEMや共同開発、共通化はさらに加速していくと思われるが、そのなかで各メーカーがどうやって独自色を出してくか、が問われることになるだろう。
【画像ギャラリー】本家よりも爆売れ!! OEM車/兄弟車で「他方が爆売れした」クルマたち(45枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方