2021年8月の登場以降、人気が沸騰しているトヨタ「ランドクルーザー(300系)」。2022年6月下旬までは「4年」とされていた納期が、7月に入ってついに5年となり、とうとう受注停止となってしまった(7月15日時点)。
平時に戻る見通しは立っていないとされており、売る側も買う側も、ヤキモキした状態が続くことになるようだが、だからといって、現在の日本市場には、ランクルユーザーが満足できるモデルがほかにはなく、欲しくてもとにかく待つしか手がない状況。
この状況下にもし、かつて日本市場においてもランクルとライバルだった、日産「サファリ」が日本復活となれば、飛ぶように売れるのでは!?? とも考えられるが、残念ながらサファリの日本復活はありえない。サファリの現在の姿とともに、復活が難しい理由をご紹介しよう。
文:吉川賢一
写真:NISSAN、INFINITI
現在も「パトロール」「アルマーダ」「QX80」として活躍
サファリはもともと、1951年に警察予備隊に三菱ジープが採用された際、競争入札に加わっていたモデル。入札で敗れ、民間用として販売されるようになった経緯はランクル(当時は「ジープBJ型」と呼ばれていた)と同様だ。
その後1980年に販売開始となったサファリは、堅牢なラダーフレームとパートタイム式4WDを装備した本格オフローダーの世界戦略車として、ランクルと共に人気を獲得した。日本市場で販売していたのは1997年に登場した3代目サファリまで。「無骨感」なエクステリアは一部では人気が高いモデルであったが、クロスオーバータイプのSUVへとトレンドが移り変わったことで、2007年に国内販売が終了となった。
ただ、海外では「パトロール」としていまも中東を中心に販売されており、現地ではランクルといまもライバル関係にある。2010年に発表された現行型パトロールは、8人乗り5ドアの本格クロカンSUVとして、オフロード性能や耐久性能が高く追求されたモデルであり、全長5メートルを越え、全幅も2メートル弱、エンジン排気も大排気量となる5.6リットルのV8 NAエンジンを搭載。このパトロールは、2016年から北米で「アルマーダ」としても販売されており、日産の高級ブランドであるインフィニティ「QX80」とも兄弟車となる。
2019年には、SUPER GTシリーズのFRO(ファースト・レスキュー・オペレーション)車両として、日産が「パトロールNISMO」を提供。同年5月のSUPER GT第2戦(富士スピードウェイ)から導入され、日本未導入のモデルだっただけに、当時話題となった。
その後パトロールは、2020年にビッグマイナーチェンジ。ボクシーなボディシェイプはそのままに、ヘッドライトやグリルといったディテールを刷新し、新世代の日産デザインが取り入れられている。2021年3月には日産の中東法人が、「パトロールNISMO 2021年モデル」をデジタルワールドプレミア。販売は中東地域限定となっており、日本や北米、欧州、中国などにも導入予定は現時点ない、まさに「中東スペシャル」だ。
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