日産は今こそサファリ復活を!! 名門クロカンの現在の姿と出せない理由

純粋な国内需要は、ビジネスになるほどはない

 なかなかカッコよく、ランクルの異常な人気ぶりを見れば、日本でも売れそうなパトロール。しかも製造は日産九州工場のみ。であれば、日本でちょっとくらい販売してもいいのでは?? とも思えるが、実際にはなかなか難しい。

 その理由は大きくふたつ。まずひとつめは「日産は、日本で本格クロカンがビジネスにならないと見込んでいる」ということ。ランクルの異常な人気ぶりは、「海外輸出で大儲けができるクルマ」であることが、もっとも大きな理由。もちろん日本でも純粋にランクルを愛する人は多くいるのだが、自動車メーカーとしてビジネスが成立するほどの需要は残念ながらなく、やはり、新車価格を大きく上回るリセール価格を見込んで入手しようとする(もしくは入手した)という需要が多いのだ。

 ランクルは、パキスタンなどの中東やロシアなどの極地で人気があるが、現地では日本にあるような高級グレードが販売されていなかったり、価格も現地で新車を買おうとすると異常に高く、そしてそもそも新モデルが導入されるのが遅かったりもする。現地のランクルユーザーは、自国で手に入らないクルマを、お金をいくらでもつぎ込んで海外から求めるそうで、それが日本でのランクルの異常な人気ぶりにつながっているのだ。

 「ランクルが儲かるクルマ」だと日本で認識されはじめたのは、いまから15年ほど前(もちろんその前から、海外需要は高かったが)。ちょうどサファリが日本市場から撤退したころだ。もし、サファリがいまも日本で販売されていれば、ランクル同様の海外への販売ルートが構築され、同様の需要があったかもしれないが、今からやったとしても、同様の人気が出るかどうかはわからない。

 そしてもちろん、そのような転売需要を見込んで自動車メーカーがクルマをつくるわけにはいかない(ランクルも300系購入時には、一定期間手放さないことを約束する必要があるとのこと)。「現地で販売すれば十分」と日産が判断するのも当然だ。

 そしてもうひとつは、パワートレインの問題だ。昨今の日産の新型車が、BEVもしくはe-POWER車だけになっていることからもわかるように、日本国内に、リッターあたり6~7kmの極悪燃費のクロカン車を出すことは、今の日産の企業方針としては到底考えられない。以上のように、少なくとも、現状のパトロールが日本市場に「ポン」と出てくることは、ありえないのだ。

「e-POWER搭載」で復活はなくはない!??

 ただ、昨今のご時世を考えれば、海外のサファリであっても、いつまでも大排気量の内燃機関車を続けるわけにはいかず、例えば、2.5リッタークラスのVCターボe-POWERのようなパワートレインとなれば、サファリが日本市場復活となる可能性もなくはない。

 現在、国内日産のSUVラインアップは、ミドルクラスのエクストレイルと、コンパクトのキックスのみ。まずは、キックスよりも小さい、インド市場の「マグナイト」のようなSUVが欲しいところだが、フラッグシップSUVとして、サファリを復活させるというチャレンジも見てみたい。

【画像ギャラリー】ランクルよりワイルドでかっこいい!! 日産の名門クロカン「パトロール(サファリ)」の歴代モデル(36枚)画像ギャラリー

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