正しく握らないことで、緊急回避が遅れる
まっすぐ走行するぶんには、9時15分で握ろうが、10時10分であろうが、8時20分であろうが、難なく運転することはできる。なんなら両手使う必要もなく、ウインカーも含めて片手で運転することだってできなくはないだろう。それでも、両手で9時15分の位置を握らなければならない理由は、万が一の際に、もっとも確実に素早く対応できるのが、9時15分だからだ。
例えば道路の凹凸や轍、横風など、ハンドルが取られる要因はたくさんある。突然、突風に襲われた際も、9時15分でしっかりと握っていれば支えられたのに、ハンドルの下のほうを軽く持っていた程度だったために、支えることができず、風に流されてしまうかもしれない。
また、道路上の落下物など、とっさの回避が必要となるシーンはよくあるもの。もしも、片手で運転していて、緊急回避をしなければならない状況になったとき、とっさに両手に持ち替えているようでは、間に合わないかもしれない。ほんの一瞬の違いだが、その一瞬で、事故は避けられるかもしれないし、事故となってしまってもその程度は大きく変わる。
このような緊急事態ではなくても、想定よりもカーブがきつかった(もしくは自車の車速が速かった)ために、ハンドルを切り増さなければならないシーンで、切り増しが遅れて逸脱してしまうなど、正しい位置で握っていなかったために起こる危険はたくさんある。
「しっかり握っているなんて疲れるしかっこ悪い」と思うかもしれないが、事故となってしまった後にも、同じことを思うだろうか。冒頭で触れたように、ハンドル操作不適による事故は、死亡事故となる確率が高い。それはほんの一瞬の出来事であるため、ブレーキなど全然間に合わないからであろう。
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もちろん、冒頭でふれた「ハンドル操作不適」のすべてが、ハンドルを握る位置に問題があるわけではないが、ハンドルを握る位置で、とっさの際の回避が間に合うか間に合わなくなるか変わってくる、というのは頭に入れておいてほしい。
運転は、慣れと油断がもっとも危険。毎日乗る人こそ、気を引き締めたうえで、運転を楽しんでほしい。
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