同乗者をクルマ酔いさせないコツ
上記の対策は同乗者にも有効だが、ここからは同乗者を酔わせないためのさらなる予防策を紹介しよう。クルマ酔いしやすい人を同乗させる場合には、以下のようなことに気を遣ったり、アドバイスしてあげよう。
●急のつく運転をしない
クルマ酔いの最大の対策法は、急ブレーキや急ハンドル、急加速、あおりハンドルなど、クルマの揺れが大きくなる運転をしないこと。簡単に言うと、同乗者の頭が「カックン、カックン」するような運転をしないことだ。
●クルマの動きに合わせて体を動かしてもらう
運転者は無意識のうちに曲がる方向に体を傾けたりして情報のズレを最小限にしているが、運転をしていない同乗者は、曲がる方向と反対側の方向に体を傾けたりしてしまうことで情報のズレが大きくなってしまう。そのため、運転者に近い視点で前方を見るようにして、カーブにさしかかったら運転者と同じ方向に体を傾けるなど、クルマの動きに合わせて体を動かしてもらうようにしよう。
●スマホや本などを見させない
スマホを見たり、本を読んだりすると視線は固定されているため、目からの情報は静止画であるのに対し、耳からの情報は体が動いているという情報になってしまう。その結果、情報のズレが大きくなり、よりいっそうクルマ酔いしやすくなってしまうのだ。
●助手席に座らせ、横に流れる景色ではなく、進行方向を見るよう促す
ドライバーと離れた座席ほど視覚情報のズレが生じやすい。そのため、クルマ酔いしやすい人は助手席に座り、さらに、動きの速い風景を見るのではなく、前方の遠くの景色を見るようにしてもらおう。
●会話をする
今回もクルマ酔いを起こしてしまうのではないかといった不安感も原因のひとつなので、気を紛らわせて不安感を取り去ることは有効な防止策となる。そのため、黙って運転をするのではなく、できるだけ同乗者と会話をしよう。
●車内の換気をこまめにする
タバコ、排気ガス、ガソリンの臭いなど、不快と感じる臭いはクルマ酔いを引き起こす。そのため、芳香剤・消臭剤を使用する、定期的に窓を開けて換気するなどの工夫を。また、外気温が高い時や低い時は内気循環にしがちなので、定期的に外気循環に切り替えるようにしよう。
それでも酔ってしまったら……
どんなに対策をしても酔ってしまうことはある。そんな時には、まずは換気をして車内の空気の入れ換えを行おう。症状がひどい場合は、クルマを停めて外に出て、伸びをしながら深呼吸をしよう。呼吸がハアハアと浅くなると、自律神経がいっそう興奮して、症状が治まらなくなってしまうからだ。
また、ベルトなどの体を圧迫するようなものは緩めて、なるべく体を圧迫しない状態をつくろう。
氷を口に含んだり、食欲がある場合はアイスクリームなどの冷たいものを食べると自律神経の乱れを整えることができ、症状をやわらげることができる。アイスクリームは血糖値も上げることができるので空腹の時にはより効果的だ。
飲み物でお薦めなのは、炭酸系の飲料。ただし、カフェインは自律神経を興奮させる作用があるのと胃に負担をかけるため、嘔吐などがひどい場合は、コーラやコーヒーは控えたほうが無難だ。
気持ちが悪い時は酸味があるものを口に入れたくなるが、梅干しや柑橘類などの酸味が強いものを食べると胃を刺激して酔いを悪化させてしまう。柑橘系の飲み物も避けよう。
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