ルノーを選ぶという選択肢は マニアックすぎる!? 魅力を徹底解剖!!

ルノーを選ぶという選択肢は マニアックすぎる!? 魅力を徹底解剖!!

ルノーといえば日本だと日産の親会社、というイメージも強いメーカーかもしれない。そんなルノー、最近はトゥインゴやメガーヌなど、乗りやすくてキュートなラインアップが増えたことから日本市場で存在感をアップ。

つい「普通のメーカーじゃないか」と思ってしまうが、しかし、かつてのルノーを知るやや古いクルマ好きには、ルノーといえば変態的なラインアップが自慢のクルマ変態御用達メーカー。

どうもマニアックな面もあるものの、没個性的なクルマが増えてきた現代にとっては尖ったラインアップを誇るルノーは貴重なメーカーかもしれない。

そんなルノーの魅力、そして過去の変態車までを振り返ります。

文:鈴木直也・ベストカーWeb編集部/写真:ルノー
ベストカー2018年11月10日号


■ニッチだけれどファンを裏切らないルノー

古くは日野が4CVをライセンス生産したのが日本におけるルノー事始めだが、シトロエンほどではないにせよ当時のフランス車はエキセントリックな存在。

普通の人が気軽に乗れるとは言い難かった。そんなルノー車で初めて世界的にブレイクしたのが初代5(サンク)。

デザインの可愛らしさと軽快な走りが受け、1970年代後半には日本でもその姿を見かけるようになる。

ルノーはコンパクトカーやWRCのイメージも強いが、れっきとしたF1コンストラクターでもある。この守備範囲の広さこそルノーの魅力かもしれない

1980年代になるとサンク・ターボのWRCでの活躍や、初のターボエンジンによるF1挑戦など、ルノーのモータースポーツ活動がヒートアップ。

1984年に第二世代の〝シュペール・サンク〟がデビューする頃には、バブル景気の追い風を受けて日本でもルノーの認知度がイッキに高まってくる。

といっても、まともに売れるのはコンパクトカーのみ。21(ヴァンティアン)とか25(ヴァンサンク)みたいなミドルセダンも輸入されてはいたが、ドイツ車が強い日本市場では、それと競合するフランス車に勝ち目は薄かった。

それゆえ2000年にルノー・ジャポンが設立されて以降、マーケティング戦略は「ニッチだけれどファンが熱烈に歓迎してくれるクルマ」に集中。

それがカングーのヒットや、ルーテシアやメガーヌのルノースポールバージョン人気につながっている。

現在ルノーが掲げているブランドメッセージは「パッション・フォー・ライフ」。いろんな意味に取れるけど「人生をエンジョイしよう!」という気持ちが伝わってくる。

これぞまさに、いま日本で売れているルノー車のキャラそのもの。退屈なクルマが一台も存在しないって、素晴らしいよね! (TEXT:鈴木直也)

■行き過ぎたマニアックさ!? ルノーの誇る歴代変態車

前述のとおりルノーはとにかくファンを裏切らない、そしてファンの想像以上のクルマを世に出すことに熱を注いでいる。

絶対的な速さよりも乗り味だったり、デザインだったり、かなり思い切ったことをしてくるメーカーでもある。

そんなルノーが誇る、もはや変態と呼ぶに等しい、マニア垂涎の名車たちをベストカー編集部セレクトで紹介しよう。

第1位【2002年アヴァンタイム】

これぞルノーのキングオブ変態車だろう。普通のクルマなのに、実用性もありそうなのに、なんで2ドアにした!?

しかもボディサイズは全長4660×全幅1835×全高1630mmとそこそこデカい。ちなみに現行ステップワゴンの全長は4690mm。

このサイズのミニバンで2ドアというのもなんだかすごい話だが、そこがルノーの良さかもしれない。コンセプトカーのようなデザインも話題に(売れなかったけどそれ以上の意義がある!!)

その巨体に2ドアとくれば、ドアの開閉は重くて大変だったなんて逸話も。当時の価格は500万円。

まあ、日本では売れなかったけれどこういう挑戦的なクルマってほんとうに大事です。

第2位【2001年 クリオ・ルノー・スポール V6】

もう伝説と言うべきか、きっと後世に残るルノーの尖りすぎた変態車ナンバーワンかと思うこのクルマ。普通のクリオにV6を搭載して、2シーターにした強引さ。

しかもエンジンの搭載位置はなんと後部座席スペースでミドシップ。もう意味不明だ。ただ速く走りたかったんだもん、というルノーの素直な気持ちは感動的。

大きなフェンダーが特徴のクリオV6。リアシートにエンジンを積むのはかつての5(サンク)ターボのようだ

もちろん走りも本格派で制作は世界的なレースファクトリーである、トム・ウォーキンショー・レーシング(TWR)が担っていたほど。

当時の日本での価格は495万円ほどだったが、現在の中古車相場は400万円ほど。うむー、さすが名変態車!!

3位【2004年 メガーヌII ルノー・スポール】

2004年のメガーヌIIから追加されたのがルノー・スポール(通称「R.S.」)。単なるスポーツバージョンというわけではなく、ルノーワークスチームの技術を用いたコンプリートカーだ。

メガーヌのルノースポールは現代でも続くルノーを代表するスポーツモデル。メガーヌIIはリアの絶壁スタイリングが特徴

224ps/30.6kgmの2Lターボを搭載していた。後年発売される「R26.R」はいまも続くFF市販車のニュルブルクリンク最速を賭けた1台になった。

余談ではあるがこの「R26」は2006年当時のルノーのF1マシン「R26」からネーミングを引き継いでいる(ちなみにR26でフェルナンド・アロンソは2年連続のワールドチャンピオンに)。

軽量でコンパクトなボディにハイパワーエンジンを搭載するという、ルノーのFFスポーツモデルの方程式はご存じのとおり現在も健在だ。

4位【1995年 初代トゥインゴ】

コンパクトなトゥインゴは、3ペダルMTからの脱却を目指す。2ペダルになったものの変速操作は必要という、なんとも微妙な「イージーシステム」を搭載。

またこのトゥインゴ、実はホンダトゥデイを開発コンセプトにしているのではないか? とも噂された。

初代トゥインゴは横から見るとどうもあのクルマに見えるような気もしなくもないが……

これにはルノーも否定コメントを表明するかと思いきや、「否定はしない」という意外な展開。「いやいや、言うてもそんなに似てたわけじゃないでしょ~」と思う人もいるだろう。こちらをご覧いただきたい。

こちらが初代トゥインゴのレッドカラー、ではなくホンダトゥデイ。フロントウィンドウからボンネットまでの傾斜、そして丸目ライトなどソックリだ

もう丸写しといっても過言ではないほどの酷似度。そもそも車名もトゥインゴとトゥデイ。言い換えればトゥデイのパッケージングがいかに優れていたかということだろう。

5位【2002年初代カングー】

カングーといえば日本市場でも人気のモデル。元々は商用にも使えるクルマだったが、日本では個性を生かせるクルマになった。

お花屋さんのクルマ、というイメージもあるが実はアウトドアにも最適。その快適性と圧倒的な愛らしさは決して侮れない存在だ

カングー単体でのイベントも多くあり、日本でのルノーの躍進を支える貴重な存在だ。ちなみに2004年にMTが日本に導入され、それ以降はMT比率が高まったというのもルノーファンの特徴かも!?

次点【2001年初代セニック RX4】

セニックをベースにSUVっぽく仕立てたのがこのクルマ。ルノーらしく卒なくまとめたクルマなのだが、日本市場ではそこまで売れず。

クルマの構成はよかったものの、いかんせん5MTだけでは売れるわけもなく。商品自体のコンセプトはよかったが

その最たる理由が5MTのみしか設定していないこと。まあこのあたりもルノーらしいと言えるかも!?

【まとめ】

以上、6台の変態車を紹介したが、きっとコアなルノーファンはこう言うかもしれない。

「ルノー・スポール・スパイダーがないじゃないか」とか、「まったく売れるわけないのに、ファンを思って日本に輸入してくれたウインドはどうした!!」なんて。

とはいえ全部紹介するといくらWebとはいえキリがないので、それはまた別の機会に……。今後のルノーにも楽しくて安くてコンパクトな名車に期待したい。

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