販売No.1から絶版車となった2代目インサイト
1999年に登場した初代インサイトは、ホンダ初の2人乗りハイブリッドカーで、「燃費を追求したコンセプトカー」のような市販車だったこともあり普遍性はなく、2006年に一度絶版となった。
しかし、2009年2月にホンダが5ナンバーセダンのコンパクトなハイブリッドカーを発表するにあたり、車名は再びインサイトと命名された。
この2代目インサイトは、全体的に性能が特にいい訳でもなく、リアシートの頭上空間も狭かった。
だが、スタイリッシュだった点に加え、なんと言っても価格は189万円からと当時のハイブリッドカーとしてリーズナブルだったため、5000台の月間販売目標台数に対し、4月は1万台以上を販売し、月間販売台数ランキングトップに立つほどの人気を集めた。
ところが、2代目インサイトの価格に強く刺激された2009年5月登場の3代目プリウスは、2代目インサイトより1クラス上の車格と充実した装備を持ちながら、“プリウスショック”とも言われた205万円からの激安価格でデビュー。一時期は納期が1年近くなるほどの受注を集めた。
さらに3代目プリウスが登場した頃に、景気刺激策としてエコカー減税と、13年落ちのクルマを処分する場合に対象となる新車購入補助金が始まったのも追い風となったことに加え、旧型となる2代目プリウスも189万円で継続販売するという体制を組み、またもホンダを叩きのめした。
2010年10月以降になるとインサイトは月販2000台を割るようになり、ホンダは2011年10月にはエンジンを1.3Lから1.5Lに拡大した「エクスクルーシブ」を追加するなどのテコ入れを行ったものの、販売は回復せず、2014年2月に絶版となった。
月間販売台数1位に立ちながら、低迷の挙句、絶版に追い込まれるというジェットコースターのような車生となったのは、3代目プリウスが強力すぎたにせよ、性能や室内スペース、結果的には価格設定などに甘い面があったのも事実だろう。
インサイトは既報の通り12月に異例となる“2度目の復活”を果たす。3度目の正直のような成功を期待したいところだ。
最盛期は月販1万台を超えた三菱 コルト
コルトは2002年11月に「カスタマーフリーチョイス」と呼ばれるユーザーの選択できる幅の大きさなどを特徴とした、フィットなどをライバルとするコンパクトカーとして登場した。
コルトは全体的に堅実な車で、登場翌月には7000台の月間販売台数に対し月間販売台数ランキング3位となる約9600台、翌2003年3月には約1万4000台(9位)という好調なスタートダッシュを決めた。
しかし、登場から半年ほど経つと、堅実ながら地味な面も否めないのも原因だったのか月間販売台数ベスト10で名前を見ることはなくなり、挙句2004年になると三菱自動車の不祥事もあり、販売は低迷。
三菱は、コルト自体の大規模改良を行っただけでなく、リアオーバーハングを延長しラゲッジスペースを広げたコルトプラス、スポーツモデルの「ラリーアート」や「バージョンR」、お買い得特別仕様車の「リミテッド」を追加するなどコルトを相当育てたものの、残念ながら再浮上は叶わなかった。
結局、コルトは2012年に現行ミラージュを後継車にする形で姿を消した。
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