■「シャトルがラインナップにあるだけで頼もしかった」
シャトルはもちろん多くの消費者に支持されたモデルではあったが、販売店の営業マンにも頼もしい存在だった。ホンダには広いクルマが欲しいという需要に対して、ミニバンならステップワゴン、ミドルミニバンのフリード、軽自動車ならN-BOXという3つの矢がある。
ではシャトルはどういう層に向いていたのだろうか。首都圏のディーラーマンが語ってくれた。
「例えば自営業の方で仕事にも自家用にもクルマを使いたいというお客さまも多くいらして、その場合はシャトルは派手過ぎず地味すぎず絶妙のモデルでした。あとは中高年のユーザーさんでお子さまも独立された家族構成だと、3列シートのステップワゴンは必要ないけど軽自動車だとちょっとという方が多くいます。
その際にも絶妙な立ち位置でいてくれるのがシャトルだったんですよね。シャトルがあるからセールス面でも他社より強く出れるという部分は大いにありました」。
またマンションの立体駐車場などでは1550mmの全高に収まるか否かで月極料金が異なるケースが多くあり(1550mmを超えるとハイルーフ料金となり高額に)、1700mmをオーバーするフリードを選べない顧客の救世主になっていたという。
地味ながらもとてつもなくいい働きをしたシャトル。販売現場の功労車ではあるが直接の後継車種は特に存在しない。しばらくはフリードがその代替車種として君臨していくだろう。またいつかシャトルの復活を期待したい。
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