タイヤはクルマの命綱!! 意外と知られてない5つのトラブルと一番手前の対処方法

タイヤにトラブルが起きた時の前兆や対処法は?

タイヤはクルマの生命線!! 事故を防ぐために押さえておくべきは足元!
高速道路や幹線道路などでパンクをして走行不能となったら、安全を確保しつつ携帯電話などから♯9910をダイヤルする、非常電話を使用して通報する。路肩での作業は絶対ダメ!

 ここではタイヤトラブルが起きた際の前兆や対処法をいくつか紹介しよう。ただし、一部の作業は作業自体に危険が伴うだけでなく、慣れない作業でミスをすると結果的に大きな事故を招く恐れがある。そのため、無理はせず基本はプロ(ロードサービス)に任せたほうが無難だ。また、作業をする場合は周囲の安全を確保したうえで行ってほしい。

■パンク
 パンクは「左右に車体が傾いている」、「ハンドルがとられる感覚がある」、「タイヤからカチカチという異音がする」といった症状で気づくことができる。

 高速道路、一般道のどちらであっても走行中にパンクに気づいた場合は、安全に停車することを最優先に。ハザードを点灯させて周囲に異常事態であることを知らせつつ減速し、路肩や駐車場に停車しよう。

 ただし、高速道路上ではさらなる事故を招く危険があるため絶対にタイヤ交換などの作業をしてはならない。ゆっくりと路肩に寄せて停車したら、発炎筒・停止表示器材を車両後方に設置して速やかにガードレールの外に避難し、道路緊急ダイヤル(#9910)に電話をする、または設置されている非常電話で通報しよう。

 一般道の場合は平坦で、駐車場のような安全に作業できる環境が確保できたらスペアタイヤへの交換やパンク修理キットを使用した応急処置を行おう。

 ■スタンディングウェーブ現象
 小刻みな振動や車体のブレ、ハンドルが重くなるといった前兆に気づくことができれば緩やかに減速をすることで収まる。しかしこの前兆は非常に気づきにくく、特に音楽を聴いていたりするとバースト直前まで気づくことができないことがある。そのため、高速走行をする前には、ガソリンスタンドなどで空気圧の確認を行っておくことが必須だ。

■ハイドロプレーニング現象
 ハイドロプレーニング現象が起こると、氷の上を走っているようにタイヤの接地感がなくなってしまう。発生した時点で制御不能となるが、焦って急ブレーキやハンドルを切るとグリップが復活した瞬間にクルマが予想外の挙動をして大事故につながる可能性がある。

 接地感がなくなったら慌てずに軽くアクセルを踏み続ける。するとエンジンブレーキと水の抵抗により自然と減速してグリップが戻ってくる。急ハンドルを切る、ブレーキを踏む、急にアクセルを戻すといった操作をしないようにしよう。雨の日はスピードを出し過ぎない、水たまりを避けるといった心がけだけでも大きくリスクを減らせる。

 積雪や凍結路に強いスタッドレスタイヤは水で濡れた路面にも効果的と思われがち。しかし、雪上でグリップするための細かな溝や、柔軟なゴム素材が水を吸収しすぎてしまうため、むしろ完全なウェット路面においてはハイドロプレーニング現象を起こしやすいと言われている。

 最近ではスタッドレスタイヤの排水性も向上してきているものの、推奨される使用環境ではないので、シーズンが終わり次第ノーマルタイヤに履き替えることをお薦めする。

■タイヤの脱落
 ガタガタといった異音や振動が前兆となるため、異変を察知したらすぐに停車してホイールナットの緩みを確認する。緩みがあればそれ以上走行はせずに増し締めを行う必要がある。

一番重要なのはトラブルを起こさないこと! 日常的なチェックを心がけよう

タイヤはクルマの生命線!! 事故を防ぐために押さえておくべきは足元!
ひび割れや劣化はもちろんだが、タイヤに関するトラブルの多くは空気圧不足によるもの。ただし、空気圧を高めすぎても偏摩耗など別のトラブルを招くので適正値内に収めよう

 重大な事故につながりやすいタイヤトラブルのほとんどは、基本的な点検や心がけで防ぐことができる。

 まずはタイヤの状態をチェックするクセをつけておこう。傷や摩耗、ひび割れなどは目視で簡単に確認できるはずだ。溝の残りも確認し、スリップサインが出ていればすぐにタイヤ交換をしよう。

 タイヤの空気圧チェックも習慣化しよう。特に高速道路を走行する前には必ずチェックしておきたい。空気圧の規定値は運転席のドアを開いた部分に記載されている。セルフ式ガソリンスタンドにも空気入れが設置されているため、空気圧の確認、補充をすることが可能だ。

 また、定期的にタイヤ交換することも忘れないように。タイヤは時間が経つにつれ油分が抜けて柔軟性が失われていくうえ、紫外線にさらされることでゴムの劣化が進む。そのため、溝が残っていたとしても定期的に交換する必要がある。

 タイヤメーカーやJAFでは5年以上経過したタイヤは、たとえ走行距離が延びていなくても点検を受けることを推奨している。タイヤのサイドには製造年と週が刻印されているので、それを目安に交換時期の目安をつけておこう。

 タイヤ交換をした後も走行したらガタがないか自分で確認することを忘れずに。タイヤ交換時点では規定トルクで締められていたボルトナットがしばらく走行することで緩む「初期なじみ」という現象が起きる可能性がある。これからの季節はスタッドレスタイヤに交換する人も増えるので特に留意してほしい。交換直後は様子を見ながら走行し、必要があれば増し締めを行おう。

 忘れがちなのがスペアタイヤやパンク修理キットの点検だ。いざパンクした際にスペアタイヤの空気圧が足りないなんてことにもなりかねない。スペアタイヤに交換する手順、パンク修理キットの使い方、必要な工具が揃っているかにもチェックしておこう。

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