■技術はあるのに……政府の外交面で差がついている?
なぜ日本って抜かれるのか。こらもう政府の姿勢といってよい。自動車用電池を安く作ろうとしたら、大量生産しなければならない。中国の電池生産量を調べてみたら、2022年の前半だけで100GWhを余裕で超えている。電気自動車200万台分だ。
全世界の電池生産量は2023年になると1000GWh程度だと予想されている。我が国の生産量といえば全メーカーを合わせて1GWhといったイメージ。
こんな生産量だと量産効果など無理。ひとつの工場で20GWhくらい作らないと安くならないのだった。この流れ、液晶や太陽光発電パネルなどと同じ。だったら大量生産すればいい、と思うだろう。
そのとおりで、日本は技術があるため大量生産できるし、コストダウンだって可能。しかし、日本政府は外交上手(笑)。日本で生産した電池を海外に輸出することができない(泣)。
■ほかの先進国の空港は充電器がズラリ! だが、羽田は5つだけ……
電気自動車の電池は世界どの国も「大きな利益を生む産業」という位置づけ。したがって輸入制限をかけている。日本の外交は愛想を振りまくだけなので、中国で生産した電池を日本に輸入することに関して関税なしの制限もなし。
逆に日本で生産した電池を中国に輸出することができない。米国や欧州に輸出しようとしても関税など制限がかかり、価格競争力なし。
したがって国内に大規模な電池工場を作ったら、日本で売るしかない。ところが、日本は安価で高性能なハイブリッドが普通に買えるし、国も本腰を入れて充電インフラを構築しない。
いまだに羽田空港の200V普通充電器、5つしかない。先進国の空港なら充電器がズラリと並ぶ。そんなこんなで日本じゃ大量に電池作っても売れないし、輸出だってできないという八方ふさがりになる。
自動車メーカーもわかっており、ここにきてトヨタやホンダ、日産が海外に20GWh以上の規模を持つ電池工場の建設を続々と発表している。一応、何とか海外勢に追いつける準備はしているようだ。
ただ、魅力のある電気自動車を作れるかどうかは未知数。今のところ欧米で世界の電気自動車と真正面から戦えるモデルは存在しない。根拠のない印象ながら、少しばかり出遅れた気がします。
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コメント
コメントの使い方クッ、日本にも潤沢な資源さえ自前で調達できればバッテリーもソーラーパネルも大量生産できるし価格も抑えられるのに…