日本ではすっかり消えてしまった名車の名前。それでもしっかりと海外市場で生き残っていたりするのが、クルマの面白いところ。
レビンやテラノなど、かつて日本のクルマ好きを唸らせた名車たちが、実は海外で生き残っているとすればそれは嬉しいことじゃないですか!!
ということで、ベストカーが海外で生き残る名車の名前たちを調べました。
文:永田恵一/写真:ベストカー編集部
ベストカー2019年1月10日号
■レビンは中国でモデルライフを続けている!!
1972年登場の初代TE27型からカローラのクーペとして、2000年に販売終了となった7代目AE111型まで28年間存在していたカローラレビン。
初代から4代目AE86型までは駆動方式はFRを踏襲し、5代目AE92型から最終のAE111型まではFFに切り替えられて販売。
歴代モデルでも白眉はやはりAE86型。ベースの5代目カローラセダンがFF化されたのに対し、レビンはFRを継続して走りを重視するクルマ好きから高評価を得る。
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レビンが中国で生きている、そんな現実だけで嬉しくなるクルマ好きも多いはず。また在りし日のレビンのような名車に日本で会えるのだろうか?
その傾向はFF化された後継のAE92型が登場後にさらに高まり、型式名が現在2ドアFRクーペの86に受け継がれているのはご存じのとおり。
そのいっぽうで、レビンの車名は中国でひっそりと生き残っていた。2014年からトヨタが中国の広州汽車との合弁会社で生産するカローラのハイブリッド車を「雷凌」(レビン)の名で中国専用車として販売していたのだ。
パワーユニットは先代プリウスと同じ1.8LのTHSIIだが、2018年11月の広州ショーで2代目にFMCされている。このレビンのように海外で生き残っているクルマの背景について考察していこう。
■車名を残すなら少量でも輸入してほしい!!
日本でなくなった名前が、海外ではいまだに結構な数生き残っているパターンとしては3つ挙げられる。
ひとつ目は日産マキシマ、クエスト、三菱トライトンなどが当てはまる「昔から日本名と海外名が共通」というパターン。
ふたつ目は「海外向け新型車の名前を決める際、主に商標権の問題もあり、まったく新しい名前をつけるのは大変なので持っている名前を使う」というパターン。
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懐かしのホンダHR-Vは北米などで健在。見てのとおりヴェゼルの輸出名として活躍している
これはトヨタレビン、日産サニー、キックス、テラノ、ホンダモビリオ、シティ、エリシオン、ダイハツテリオス、VWサンタナ&ボーラなど、「日本でなくなったけど、海外で見る名前」の大部分を占める。
3つ目は日産シルフィクラシックや三菱グランドランサー、コルトプラスが該当する「廉価版や販売のタマを用意するため継続生産している」というパターンだ。
このパターンは日本でもトヨタでは2代目プリウス、日産でも2代目エクストレイルのディーゼルやV36スカイラインといった例があり、継続生産車が価格だけではない魅力を持つこともある。
こういったクルマは日産とホンダで「やたらに見るなあ」と多くの人が感じると思う。その理由は、海外向けのクルマが増えており、命名に2つ目のパターンを使ったということだろう。
この点からは両社が最近よく言われる”日本軽視”が間接的に見え、「海外には命名に困るほど新型車を出すのに、日本では……」と感じられる。
ホンダは一度なくなったCR-Vやインサイトが、海外向けを日本向けに仕立て直す形で復活しているくらい(それでも今年は日本向け新型車が1台もなかった日産よりはいいとも言えるが)。
話はやや脱線するが、海外で名前が残っている日産キックスや三菱パジェロスポーツなど、面白そうなクルマも少なからずある。
メーカーには日本国内の雇用に影響を与えない範囲で、ハイラックスのような輸入の形での日本導入を考えてほしいところだ。
【こんなにあるぞ!! まだ生き残っている車名】
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嗚呼、懐かしのコンパクトミニバン「モビリオ」。いまはアジアで7人乗りのコンパクトになって元気に過ごしています。ちょいとスポーティーな「RS」もあります
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フォードと共同開発だった日産「クエスト」は大型ミニバンとして健在。2016年までは北米でも発売していたが現在は中国市場で頑張っています
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三菱ランサーは「グランドランサー」として台湾で販売中。ギャランフォルティスのアップデート版といったところ。ランサーのブランドバリューはまだまだ根強い
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アヴァンシアはセダンに近いステーションワゴンという位置づけだったが、現在は中国市場でラグジュアリーなSUVに変身。うーん、これはこれでかっこいいような
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あのダイハツテリオスはいまや立派な7人乗りミドルSUVとして、インドネシアなどで元気に頑張っています。仕向け地の関係もあり腰高だけどかっこいい気もする
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日産ムラーノはいまも新型が北米で発売中。もちろんコンセプトは日本で発売されていた2代目からキープコンセプト
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ホンダシティはいまや4ドアセダンとして新興国で元気に頑張っています。日本では実力派コンパクトセダンのグレイスです
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日産パトロールは中東などで元気に活躍中。ランクルの直接的なライバルとして健在。ランクルよりもパトロールをあえて選ぶクルマ好きも多いとか
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