■FF化後の最強はどのモデル?
では、FFのライトウェイトスポーツクーペの最強は、どのカローラだろう。レビンはAE86の次のAE92から駆動方式を前輪駆動のFFに変更している。バブル期に販売されたこともあり、レビンとしては最も多い販売台数を記録した。
ボディやシャシーをコンピュータ解析して剛性アップし、サスペンションも一新して走りの実力を高めている。横置きレイアウトに変更した4A−GELU型直列4気筒DOHC4バルブも後期型ではハイオク仕様になり、気持ちよさに磨きをかけた。
が、刺激という点においては、最後のレビンとなるAE111系が一番だろう。4A−GEU型直列4気筒DOHC4バルブ搭載車は長く「GT」を名乗っていたが、95年春に登場したAE111レビンでは「BZ」を名乗り、スーパーチャージャー仕様も整理している。
切れ味鋭い自然吸気DOHCだけに絞り、しかもAE101の後期で登場した5バルブ機構や可変バルブタイミング機構を受け継いだ。さらに吸排気ポートとスロットル径を拡大するとともに圧縮比を高め、コンロッドやフライホイールの軽量化も断行した。
ECUの制御もDジェトロニックに変更するなど、細部を大幅にリフアインしている。また、マフラーも内部にバルブユニットを備えた2ウェイエキゾーストコントロールシステムだ。その結果、最高出力は165ps/7800rpmまで向上した。トランスミッションもクロスレシオの6速MTだから、高回転を駆使しての走りが一段と楽しくなっている。
AE101系レビンは快適性を高めるためにボディが重くなった。この反省からAE111系レビンは全長を短くし、装備も削ってダイエットに励んでいる。パワーアップに加え、最大70kgもの軽量化に成功したのだから走りのポテンシャルは驚くほど高い。しかもスーパーストラット仕様に加え、軽量コンパクト設計のヘリカルLSDも組み込んだ。
アクセル操作に忠実に、クルマが軽やかに向きを変える。ドライバーが操っているという、いい気分にさせてくれるのがAE101レビンのBZ-Rだ。名機4A−GE系直列4気筒DOHC4バルブ、そしてスーパーストラットの集大成モデルで、最後のレビンにふさわしい走りの実力だった。
歴代のカローラの高性能モデルは、いずれも2WDだ。だが、間もなく正式発表されるGRカローラは、初めて前後の駆動力配分を自在に変えられる4WD方式で登場する。GRヤリスの走りを知っている人なら、GRカローラの実力が飛び抜けて高いと予想できるだろう。まだ試乗の機会はないが、カローラの歴代1600ccモデルのなかで最強の称号を与えられることは疑う余地がない。
が、昭和、平成の時代、理屈抜きで愉しく、コーナーを駆け抜けるたびに悦びと感動がわき上がったのは4A-GE系DOHCエンジンを積むカローラレビンだ。なかでも軽量でありながらボディやサスペンションがしっかりしていて、エンジンもパワフルだったのが最終進化形のAE111レビンである。快適性はAE101に及ばないが、操る楽しさは格別だった。
【画像ギャラリー】カローラ史上最強モデル間違いなし!! 発売が待ち遠しい「GRカローラ」をギャラリーでチェック!(17枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方忘れ去られた2ZZエンジン搭載カローラ…
あとGRカローラと比較するならTRD2000GTは外せないんじゃ?
この記事に限らず、もうちょい調べてから書こうね。
2p.目、なんかAE111とAE101がごっちゃになってるような……