トヨタ GRカローラ誕生で考える「歴代最強カローラ」は!?

トヨタ GRカローラ誕生で考える「歴代最強カローラ」は!?

 今年冬頃から抽選予約受付の開始を予定しているトヨタの「GRカローラ」。カローラスポーツをベースに、GRヤリスに搭載する直3、1.6Lターボ+スポーツ4WDを搭載する大注目のホットハッチだ。

 カローラファミリーとしては、久しぶりの高性能モデル登場となる。そこでここでは、歴代カローラのなかで、操る楽しさが格別だった最強モデルを振り返る!

本文/片岡英明、写真/TOYOTA、ベストカー編集部

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■FRクーペから始まったカローラ高性能モデルの系譜

1972年に登場した初代カローラレビン。2代目の20系カローラとスプリンターの2ドアクーペをベースに、1588ccの2T-G型直列4気筒DOHCエンジンを搭載
1972年に登場した初代カローラレビン。2代目の20系カローラとスプリンターの2ドアクーペをベースに、1588ccの2T-G型直列4気筒DOHCエンジンを搭載

 世界で最も生産台数の多いファミリーカーがトヨタのカローラだ。誕生したのは、日本が高度成長期を実感する1966年秋だから50年以上も人気を保ち続けている。カローラは、日本では同じ時期にデビューした日産のサニーと、世界では遅れて登場したVWのゴルフと熾烈な販売合戦を繰り広げながら成長を続けてきた。ベーシックグレードからスポーツグレードまで豊富なラインナップを誇り、スポーツモデルにはレビンやGTの名を与えている。搭載するのは、その時代の先端を行く高性能ユニットだ。

 軽量コンパクトなボディにパワフルなエンジンを搭載し、バカっ速い走りのクルマに仕立てた最初の作品、それは2代目のカローラをベースに72年3月に登場したレビンである。

 搭載するのはセリカ1600GTとカリーナ1600GTから譲り受けた1588ccの2T-G型直列4気筒DOHCで、燃料供給は2基のソレックス40PHHキャブレターだった。当時は最強モデルで、かなりのじゃじゃ馬だ。操って楽しいが、スリリングでもある。

1983年にデビューしたAE86型カローラレビン。ファミリー系モデルは駆動方式をFFに転換したが、スポーツ系のモデルは走りの楽しさを考えてFRを継続
1983年にデビューしたAE86型カローラレビン。ファミリー系モデルは駆動方式をFFに転換したが、スポーツ系のモデルは走りの楽しさを考えてFRを継続

 燃料供給がキャブの時代の「DOHC」エンジンは特別な価値を持っていた。カムに乗って高回転まで気持ちよく回るエンジン音に加え、キャブの吸気音も耳に心地よい。TE27レビンは痛快だったが、後輪駆動のFRレビンの最強といえば、1983年春に鮮烈なデビューを飾ったAE86カローラレビンだろう。

 新世代の4A−GEU型直列4気筒DOHC4バルブエンジンは電子制御燃料噴射装置で武装し、7000回転オーバーまで気持ちよく回った。5速MTも狙ったギアに小気味よく入る。

 サスペンションは先代のTE71レビンからキャリーオーバーだ。フロントはストラット、リアサスペンションは4リンク式のままで、当時としても新鮮味はないが、コントロールしやすい。

 ラック&ピニオン式ステアリングの採用、軽量ボディと相まって運転するのが楽しかった。1990年代に漫画の『頭文字D』が大ブレークし、走りのよさが誇張されて伝わった部分もある。

 だが、剛性感が高く、コントロール性に優れていたのは3ドアではなく2ドアクーペのレビンだ。エンジンやサスペンションなどのチューニングメニューが豊富に用意されていることもあり、自分好みのレビンにセッティングすることができ、とても楽しいスポーツクーペだった。

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