キャンピングカーとして話題沸騰中! ヨーロピアン商用車フィアット・デュカトの仲間と競合車を一挙紹介します!

デュカトは親類も多い

オペル・モヴァノ。こちらはプジョー・ボクサーをベースとしている
オペル・モヴァノ。こちらはプジョー・ボクサーをベースとしている

 フィアットの協業相手だったPSAは、ステランティスの成立前の2017年にドイツのオペル、英国のボグソールを傘下に収めています。そのため、この2社がラインナップしていたGVW3.5~5.0トン級LCV「モヴァノ」も、2022年モデルからボクサー/ジャンパーのブランド違い車となりました。つまりデュカトからみれば親戚のようなクルマですが、欧州市場だけで4モデルもの「ほぼ同型車」と競合しているともいえます。

 ちなみに、フィアットが2009年に資本参加した米・クライスラーでも、「ラム」ブランドを通じて、メキシコ工場製デュカトとでもいうべきクラス2b小型商用車「プロマスター」が2013年から発売されているので、「ほぼ同型車」はデュカト含めて6モデルが存在します。

欧州市場向けではないが、デュカトは北米市場でもクライスラーの商用車ブランド・ラムから「プロマスター」として供給されている。エンジンはクライスラー製3.6リッターV6ガソリン
欧州市場向けではないが、デュカトは北米市場でもクライスラーの商用車ブランド・ラムから「プロマスター」として供給されている。エンジンはクライスラー製3.6リッターV6ガソリン

ライバルはもっと多い

メルセデス・ベンツ・スプリンター。駆動方式はFWD、RWD、AWDのフル展開。さらにEVも設定しており、写真はその「eスプリンター」である
メルセデス・ベンツ・スプリンター。駆動方式はFWD、RWD、AWDのフル展開。さらにEVも設定しており、写真はその「eスプリンター」である

 GVW3.0~5.0トン級LCVは、欧州の自動車メーカーが多数参入している市場でもあります。

 このクラスで大きなシェアを占めているもう一つのクルマが、メルセデス・ベンツの「スプリンター」です。スプリンターは、前輪駆動(FWD)に加えて後輪駆動(RWD)や四輪駆動(AWD)を展開し、GVWクラスやホイールベース・ボディの長さも豊富に設定するなど、車型バリエーションが特に多いことも特徴です。

 ルノー日産三菱グループも大手の一角で、ルノーの「マスター」はメジャーブランドの一つです。マスターは、日産からも「インタースター」(一時期NV400と称していたモデル)として発売され、日本へも並行輸入されました。実は、前述のオペル/ボグソール・モヴァノも、PSA傘下になる以前のGM時代はルノーと協業していたので、マスターの共通設計車をボグソールで生産していました。

 また、かつてはルノーの大型商用車部門で、現在はボルボトラック・グループのルノートラックス(ルノーとは資本関係がない)も、「マスター」を取り扱っています。ルノー・マスターと同一車ながら、ルノートラックス独自のオーナメントを付けたり、EVモデルを「Z.E.」と呼ぶなど、ルノー版とはわずかな違いがあったりします。

ルノー・マスター。駆動方式はFWDとRWDの2種
ルノー・マスター。駆動方式はFWDとRWDの2種

競合する強豪はまだある

欧州フォードのトランジット。駆動方式はRWD、FWD、AWDのフル展開
欧州フォードのトランジット。駆動方式はRWD、FWD、AWDのフル展開

 欧州LCV(GVW1.5トン級などコンパクト系も含む)市場全体で総合トップといわれているのが欧州フォードで、GVW3.0~5.0トン級LCVは「トランジット」というクルマを生産・販売しています。ちなみにGVW2.0~2.5トン級LCVも、それとはまったく違うクルマながら「トランジットコネクト」という名称を与えており、トランジット・ブランドの強さもうかがわせます。

 フォルクスワーゲンのGVW3.0~5.0トン級LCVが「クラフター」です。現行モデルは、2016年にデビューした新開発モデルで、ポーランド工場を生産拠点としています。現行モデルはVWオリジナル車ですが、つい6年前までメルセデス・ベンツのスプリンターをベースにVW製エンジンを搭載するというクルマで、生産もメルセデス・ベンツのカッセル工場で行なわれていました。

 VWグループ傘下かつTRATONグループのMANは、大型トラック中心の商用車メーカーですが、2016年からGVW3.0~5.0トン級LCV「TGE」を発売しています。なんとなく察しがつくと思いますが、TGEは、クラフターのMANブランド車です。MANは、VWと資本関係がなかった頃でも、小型商用車でVWと提携していた時期がありました。

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