【もう不要!? やっぱり必要!?】これで決着「慣らし運転」は最新車でもやるべきか

■輸入車は事細かに慣らし運転方法が定められている

輸入車はどうなのかというと、一例としてベンツCクラスとポルシェの各車は取扱説明書に慣らし運転が記載されている。一部抜粋してみた。


【ベンツCクラス】

最初の 1500 km は、さまざまな車両速度およびエンジン回転数で走行してください。フルスロットルで走行するなど、この期間は車両への大きな負担は避けてください。

手動でギアをシフトするときは、タコメーターの針がタコメーターのレッドゾーンに到達する前に適時シフトアップしてください。

オートマチックトランスミッション装備車両は踏み応えがあるところを越えるまでアクセルペダルを踏むこと(キックダウン)は避けるようにしてください。

1500 km 後は、最大負荷およびエンジン回転数まで、車両を徐々に加速することができます。

ベーシックなCクラスでも慣らし運転が必要なベンツ。工作精度だけ考えればドイツ車もかなり高いのだが、そこには哲学の違いもありそうだ

【ポルシェ各車】

3000kmまでの慣らし運転中はなるべく長距離を運転することを推奨いたします。できるだけ冷間始動と近距離運転の繰り返しは避けてください。

自動車レース、スポーツ・ドライビング・スクールなどに参加しないでください。エンジン回転数が4,000rpmを超えないようにしてください。エンジン冷間時は低回転域で運転してください。


ドイツ車2台を見ても上記のように指示されており、ベンツもポルシェも精密なクルマだけに慣らし運転も必要ということなのだろう。

慣らし運転が指示されているクルマがあるのを見ると、慣らし運転の指示がなくても慣らし運転はしておくべきだろう。

やり方としては諸説あるが、取扱説明書に指示がなければ、よく言われる「500kmまでレッドゾーンの半分のエンジン回転、その後100kmごとに500回転づつ回転を挙げ、レッドゾーンの回転数に達したところで慣らし終了」という方法でいいだろう。

前述したとおり工作精度が向上していることもあり、そこまで厳密に神経質になる必要はない。

なお、新車は慣らし運転が終わった頃の1カ月点検か1000km点検の際に「鉄粉をエンジンから流すためにエンジンオイルを交換すべき」と言われるが、これも現在はメーカーによって見解が異なる。

サービス担当者との相談との上で実施を考えてほしい。

■ちなみにタイヤやブレーキも慣らしは必要だ

新車を頻繁に買うことはないが、タイヤやブレーキなどは車検などで交換するケースも多いだろう。タイヤとブレーキについての慣らしにも触れておこう。

【タイヤ(ブリヂストンWebより)】
・一般タイヤ 80km/h以下で100km以上走行
・冬用タイヤ 60km/h以下で200km以上走行

【ブレーキ関係(ディクセルWebより)】
・ストリートのみ使用の場合

NSXやポルシェのようなカーボンセラミックブレーキなどは特に入念な慣らし運転が必要とされる。一般的なブレーキはそこまでではないが、必ず慣らしをしたいところ

組合わせるパッドや走行道路によっても異なりますが、一般道で大体300~1,000kmほど必要になります。その間、急制動、急ハンドルなど急の付く運転は避けて下さい。

また無理矢理、温度を上げるような走行もお控え下さい(ローターを歪める原因となります)。つまり、ごく普通の『安全運転』で走行頂ければ、ストリートでのアタリ付けは完了致します。

機械が馴染んで自分の「愛車」になる感覚を持つためには、タイヤやブレーキも含めて少しずつ慣らし運転をしていくのも大事なことだろう。

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