自治体が使っていた消防車やバスなどが落札できると毎回話題を集める官公庁オークション。1月18日から2022年度の第6回公有財産売却が始まった、今回も消防関係74件、バス15件などが出品されており大盛況の予感。早速注目のクルマを紹介しよう。
文/ベストカーWeb編集部、写真/官公庁オークション(KSI)
■38m級はしご車が50万円からスタート!
そもそも官公庁オークションとは、行政機関(市町村などの地方公共団体や警察、消防機関など)が出品するオークションのこと。大きく分けると税金滞納者の差押え品が出品される「インターネット公売」と、行政機関の財産である公用車や公有地などが出品される「公有財産売却」の2つに分けられる。入札に特別な資格などが必要なわけではなく、誰でも入札・落札が可能だ。
1月18日から参加申し込みが始まったのは、後者の公有財産売却のほう。ちなみにインターネット公売は一足早く1月12日から申し込みが始まっていて、こちらでは差押えされた高級車や輸入車などが出品されている。
ここでは毎回話題を集める公有財産売却に注目したい。今回の出品された公用車を見てみると、消防車が74台、救急車が16台、バスが15台、建機が8台といった具合。その中から気になる車両を紹介しよう。
・はしご車(38メートル級)(予定価格50万円)
大阪府富田林市の出品で日野MHシャシーを使ったはしご車。登録は2003年2月で6人乗り、走行距離は1万2000kmだ。全長11.23m、全幅2.49mで重量は1万9620kg。エンジンは2万ccのディーゼルとなる。あいにく車検切れだが夢あふれる1台。自宅にあったらいろいろ楽しいなあ。ちなみにはしご車はもう1台、千葉県四街道市が30m級を出品している。
・1977年式トヨタ・ランドクルーザー消防ポンプ車(予定価格10万円)
宮城県村田町からの出品。名車FJ56型ランクルをベースにした消防ポンプ車だ。走行距離は7400kmと短いのだが完全な不動車で、平成20年に抹消登録手続きがなされている。愛と情熱にあふれるランクルマニアがみごとにレストアすることを願いたい。ランクルベースの消防車は、この他にも香川県丸亀市がBD-1型を2台出品している。
・平成4年式トヨタ・ダイナ消防車(予定価格3万円)
奈良県北葛城郡にある河合町が出品した車両。トヨタ・ダイナベースの消防車だ。エンジンは2Lガソリンで全長約496cm、全幅168cm、車検切れ。走行距離は5540kmと短いものの、登録から30年が過ぎているため各所にサビやキズなどがある。NOx・PM対策地域内では登録できないので注意しよう。
・平成元年式三菱ローザ図書館車(予定価格8万円)
東京都東大和市からの出品。1989年以来移動図書館として市内を走り回ってきたクルマだ(車検切れ)。とはいえ走行距離は1万7299kmと意外と短い。東京都内で使われていたのでNOx・PM法にも適合している。ボディ横に開く開架式書架が泣ける。このまま移動スーパーとかに転用できないだろうか。
・平成10年式日野セレガ(52人乗り)(予定価格245万6000円)
千葉県四街道市が出品した日野セレガ大型バス。19.68Lのディーゼルエンジンを積み、乗車定員は52人。走行距離は18万2830kmとそれなりだが、現在も運用中のクルマのためかえって調子はいいかも。気安く買える値段ではないが、家にあったら子供たちの人気者になれそう。
さていかがだったろうか。このほかにも除雪車やらフォークリフトやら気になるクルマが目白押しで、クルマ好きならサイトを見ているだけでご飯3杯は行けるはず。
ちなみに消防車などを自家用車として使うことはまったく問題ない。ただし赤色灯やサイレン、無線機などを稼働状態にしておくと違法、「〇〇消防署」といった本部名も削除することになる(はしご車のはしご稼動はOKだが、耐用年数を過ぎている場合がほとんど)。
2022年度の第6回公有財産売却は1月18日から2月6日まで参加申し込み期間、2月20日から2月27日までが入札期間となる。消防車や大型バスのオーナーになってみたいと夢を描いていた人、夢をかなえるのは今かも!
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