SUV度は、デリカミニが頭ひとつ抜けている
では、気になるスペーシアギアとタントファンクロスとの「SUV度」の比較について考えていこう。ご存じのとおり、スペーシアギアは、2022年の軽自動車販売台数3 位の「スペーシア」をベースに、そしてタントファンクロスは、同販売台数で2位の「タント」をベースに、SUV風にカスタムされたモデルだ。(ベースモデルは)どちらも年間10万台強売れている大人気車で商品力も高く、そのカスタム版であるスペーシアギアもタントファンクロスにも、その高い商品力は受け継がれている。
では、SUVとしての使い勝手を比較していこう。タントファンクロスの魅力は、なんといっても助手席「ミラクルオープンドア」の利便性だ。アウトドアが好きな方であれば想像つくと思うが、アウトドアシーンでは、車内の広さはもちろん、大量の荷物をストレスなく出し入れできることもポイントだ。その点タントファンクロスは、助手席側のドアを完全開放し、タープやテント、折りたたみチェアなど、大きくて長い荷物を取り出すシーンでは、果てしなく便利。
スペーシアギアも、荷室床面高さがベースのタントよりも低くなっているため、荷物の出し入れをしやすく改良されている。また、床面が硬めの樹脂でできた防汚仕様となっているため、後席を倒してフラットフロアにし、自転車やサーフィンボード、アウトドアグッズのような硬いアイテムを積んだ際も、床面が頑丈なのでダメージを受けにくい。スズキ車ならではの魅力として、全方位モニターなどの便利なアイテムがリーズナブルに装着できるのもポイントだ。
デリカミニも、荷室床面高さはスペーシア並に低く、積載量はトップクラス。ミラクルオープンドアほどの「飛び道具」はないものの、約 650mmと開口部が非常に広く、まさに「タントファンクロスとスペーシアギアのいいとこ取り」をしたのが、デリカミニだといえるのではないだろうか。
大径タイヤと専用チューニングのショックアブソーバーの効果については、試乗してみないとわからないところではあるが、4WD制御には絶大な自信を持つミツビシが味付けしたとなれば、雪道や悪路でも安定した走りは期待できるはずだ。デリカと名乗る手前、中途半端な走破力であるはずはないだろう。
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東京オートサロン2023では、コールマンとコラボした派生車もお披露目された。ぜひデザインスタディに留めることなく、商品として出し続けてほしい。また、BEVのデリカミニも急ぎ用意してほしいところだ。
三菱を代表するモデルである「デリカ」の名を冠したデリカミニ。「ミニ」であっても、三菱の育て方次第では、あの「パジェロミニ」のように、愛されるブランドになるはずだ。今後の活躍に期待している。
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