ガワだけでも甦ってほしい!! 独断と偏見で選ぶEV化で復活してほしい名車4選

あのナチュラルなハンドリングをバッテリーEVで!! 「ホンダ初代NSX」

 次に取り上げたいのが、ホンダの名車「初代NSX」だ。1990年、量産車として世界初となるオールアルミモノコックボディで登場した初代NSXは、ボディパネルだけでなく構造部材もすべてアルミ素材とし、ホワイトボディはおよそ210kgと、スチールに比べておよそ140kgもの軽量化に成功、車両重量はなんと1300kgを切るという軽量ぶりが特徴だった。搭載されるエンジンは、「C32B」という3.2リッター水冷V型6気筒のNAエンジン、もちろんVTECだ。車両後方に横置き配置し、ミッドシップとしたパッケージングとしたことも、ピュアスポーツカーとしての運動性能向上に大いに貢献していた。

 現代のスポーツカーのように、重量級となったボディを、極太タイヤのグリップと電子制御でグイグイ曲げていくのも楽しいが、クルマにとって、軽量であることは何よりも勝ること。その軽量ボディの魅力を残すため、適切な量の容量に抑えたバッテリーEVへとコンバートし、電子制御やタイヤに頼らない、ナチュラルなハンドリングのスポーツカーへと昇華させることができれば、きっとものすごく楽しいだろう。

全長4430×全幅1810×全高1170mmというスタイルの初代NSX。6速マニュアル車には3.2LのV6エンジン(C32B)、5速オートマチック車には3.0LのV6エンジン(C30A)を組み合わせていた
全長4430×全幅1810×全高1170mmというスタイルの初代NSX。6速マニュアル車には3.2LのV6エンジン(C32B)、5速オートマチック車には3.0LのV6エンジン(C30A)を組み合わせていた

ロータリーサウンドを再び!! 「マツダFD3S RX-7」

 ロータリーエンジンで、ファンから絶大な支持を得ていた、マツダ「RX-7」。地を這うような低さのエンジンフードはロータリーエンジンだからこそ実現できたものであり、それによるワイドアンドローなスタイルは、このFD3S RX-7の最大の魅力だった。ロータリー独特の唸りのようなサウンドも、(燃費は酷かったが)世界で唯一のロータリースポーツカーを所有しているという優越感に浸れるものがあった。

 このスタイルを守るため、FDがコンバートするのは、やはり水素燃焼のロータリーエンジンだ。先日、ロータリーエンジンを発電用とするプラグインハイブリッドを発表したマツダだが、ファンが本当に待ち望んでいたのは、水素燃焼ロータリーエンジンのほうだろう。FDでは無理だとしても、水素燃焼ロータリーエンジンの登場には、期待しているファンは多いと思う。ぜひ実現させてほしい。

2002年4月に登場した、RX-7最後の限定車である「スピリットR」。業者向けオークションでは、1000万円を超えた個体も
2002年4月に登場した、RX-7最後の限定車である「スピリットR」。業者向けオークションでは、1000万円を超えた個体も

ボクサーサウンドは、サウンドジェネレーターで!! 「スバル インプレッサWRX STI」

 個人的には、1990年代の世界ラリー選手権(WRC)で大活躍した、「スバル インプレッサWRX」も、カーボンニュートラルなパワートレインへコンバートさせたい。 WRCでの勝利を目標に開発されたインプレッサWRXをベースにしたコンプリートカーである「WRX STI」の最大の魅力は、シンメトリカル4WDと水平対向ボクサーエンジンの「EJ20」による、低重心パッケージングだ。

 低回転から聞こえる「ボロボロ」といったボクサーサウンドは、スバル車に乗っているという満足感が高かった。 このインプレッサWRX STIは、低重心パッケージを維持するため、バッテリーEVにコンバートしたい。ボクサーサウンドは、AE86トレノコンセプトカーと同様に、サウンドジェネレーターで再現する。車外は静かだが、車内にはあのボクサーサウンドが響き渡る、といった演出は、大いにアリだと思う。

低回転から聞こえる「ボロボロ」というボクサーサウンドは、スバル車に乗っているという満足感が高かった
低回転から聞こえる「ボロボロ」というボクサーサウンドは、スバル車に乗っているという満足感が高かった

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 東京オートサロン2023でトヨタがAE86でやってくれたコンバートは、かつての名車に気兼ねなく乗ることができるという「自由」をみせてくれた。 ぜひ、コンセプトカーで終わることなく、誰もが愛車をカーボンニュートラルなパワートレインへコンバートできるよう、実現させてほしいと思う。

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