滅び去ったけど「あったこと」は残したい!! 昭和平成のドライバーならすぐわかるクルマ仕草

「ア・イ・シ・テ・ル」のサインだった「ブレーキランプ5回」

 「ブレーキランプを5回点滅」は、比較的幅広い世代の方が知っていることだろう。人気音楽バンドの歌詞に出てくるものだが、曲を知らない人のなかには、「ア・リ・ガ・ト・ウ」と理解していた人もいたとかいないとか(筆者調べ)。テールランプで語れるこれらの仕草も、いつの間にか見かけなくなった。テールランプで知らせるという意味では、「このあと強めにブレーキします」という意味で3回点滅させる「ポンピングブレーキ」も、同じかもしれない。

クルマを駐車するときに、助手席後ろへ手をかける

 クルマを駐車させるときなど、バックをする際に、助手席のシートの後ろへ手を掛けて後方を振り向く、という仕草もすっかり見なくなった。かつては、「後ろを振り向いた横顔にドキッとする」とされていた仕草だが、現代では、SNSなどをみると、「カッコつけている、ダサい」という言葉が並ぶ。手を掛けることで身体の向きを支えられるので、後ろが見やすかったのだが、現在は、バックモニターとサイドミラーを使ってさっと駐車した方が、よっぽどスマートな人に見られるだろう。

 なお、令和4年4月1日から、令和4年5月以降に発売される新型車には、「バックカメラ」が義務化されている。継続生産されているモデルは令和6年5月までは適用が延長されているが、すべてのクルマにバックカメラがつくことになれば、バックを開始する前に進入確認を十分にしておけば、常に後方を見ながらバックすることはなくなるだろう。

かつては「かっこいい」とされていた仕草だが、いまは「ダサい」らしい(PHOTO:Adobe Stock_auremar)
かつては「かっこいい」とされていた仕草だが、いまは「ダサい」らしい(PHOTO:Adobe Stock_auremar)

運転中に、窓から腕やひじを出す

 いまでもまれに見かけるが、以前は、クルマの窓から右手を出して、運転するドライバーをよく見かけた。エアコンをつけなくても風を感じられて涼しい、肘置き代わりにすると楽、タバコを吸うため、という理由があるようだが、漫画や映画の影響でそのポーズがカッコ良いと感じていた方も多かったようだ。

 ただ、(季節によっては暑いとか寒いとかあるだろうが、それはその人が好きでやってることなのでさておき)片手運転は危険だし、片手を無駄に出していることで、事故に遭った際、片腕を失うリスクもある。窓から腕だし運転は絶滅した方が良いだろう。

昔のクルマはウィンドウラインが低く肘を置きやすかったが、今のクルマはウィンドウラインが高く、肘が真横になってしまい、かえって疲れるはず(PHOTO:Adobe Stock_Wayhome Studio)
昔のクルマはウィンドウラインが低く肘を置きやすかったが、今のクルマはウィンドウラインが高く、肘が真横になってしまい、かえって疲れるはず(PHOTO:Adobe Stock_Wayhome Studio)

「先に行かせて」の合図の、追い越し車線で右ウインカー

 かつて、高速道路の追い越し車線では、前走するクルマに「先に行かせて」と伝えるために、右ウインカーを出す、という風習があった。そもそもは、大型トラックやトレーラーが、追い越し車線で前走車に追いついたときに排気ブレーキをかけている合図だったそうだが、大型トラックへの上限90km/hの速度制限が入って以降、まったく見かけなくなった。

 ただ、そのためか、追い越し車線を、走行車線よりものんびりペースで悠々と走り続ける、迷惑なクルマが多くなってきたように思う。いまこれをやると、「あおり運転だ」とSNSにあげられてしまいそうだが、使いたくなることがあるのは、筆者だけではないだろう(右ウインカーを出したところで、伝わらない(もしくは見ていない)可能性も十分にあるが)。

◆     ◆     ◆

 ほかにも、内掛けハンドルなど、現在では見かけなくなった仕草はある。その時代には意味があってやっていたことであり、現在よく見かける仕草でも、20年後には廃れている可能性がある。時代が変われば、風習も変わる。「ずっとそれでやってきた」としても、その時代に生きている以上、変えていかなくてはいけない風習もあるのだが、こんなこともあったなぁ、と、たまに思い出すのもいいものだ。

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