「操作性改善のため」にオルガン式にしたと、トヨタはいうが…
以上のように、吊り下げ式にもオルガン式にも、メリットもデメリットもあるのが現状だが、トヨタの担当エンジニアによると、新型プリウスがオルガン式を採用した理由は「(オルガン式の方が)ペダル操作性が改善し、運転が楽になるため」だという。
前述もしているように、確かにオルガン式には、一定速を維持するシーンでは足の疲労が少なく済む、というメリットがあるが、吊り下げ式のほうが踏みかえしやすいことを考えれば、必ずしも「ペダル操作性が改善」するとは思えない。冒頭で触れたように、この新型プリウスだけでなく、ハリアーやRAV4など、トヨタ車でオルガン式の採用が広がっている背景には、高級感を演出するということのほか、踏み間違えにつながる要素をすこしでも排除しよう、というトヨタの狙いがあるではないか、と考えられる。
オルガン式が正解とは言い切れない

トヨタがオルガン式の採用を拡大する一方で、かつてはオルガン式を採用していたのに、近年、吊り下げ式へと変えてきているメーカーがある。ドイツのフォルクスワーゲンだ。量販車のポロやゴルフに限らず、高額車のパサートやアルテオン、そして同グループの高級ブランドのアウディでも最上級車A8まで吊り下げ式だ。A6やA8は日本円で1000万円強の高額車であるため、コストダウンが主目的とは考えにくく、その他のメリットを優先したものと考えられる。
追従型クルーズコントロールや自動運転(レベル2、レベル3)が当たり前になったいま、長距離移動の際の「疲れにくさ」を考える必要性は薄くなってきている。数年後には、吊り下げ型のアクセルペダルが、再び見直される時代が来るような気がしている。
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コメント
コメントの使い方フォルクスワーゲン、右足フットレストと左足フットレストが対象なのは分かった。
が、ブレーキペダルがセンターより左寄りにあるのがとても気になる。
左足でブレーキ踏むのかな。
長距離以外の運転とMTでのヒールトゥで吊り下げ式が理に適っており、NDでも吊り下げに変更するキットがあることは有名です
しかし記事の通りオルガン式が有利とされる長距離でも、シート座面形状や背もたれ角度などの条件によって人間工学的に吊り下げに劣る場合も多いのです
プリウスの変更はドラポジの最適化が叶ったこともあるでしょうが、主目的は踏み間違え防止とアクセルワークを重視するためでしょうね
踏み間違え防止っていうか、踏み込んだ時にマットに引っ掛って、足を離しても戻らなくなる現象防止なのでは