普及しつつある、ドライバーモニターカメラ
ただ近年は、ドライバーの状況を常に監視するドライバーモニターカメラを搭載するクルマが増えてきており、このドライバーモニターカメラがあれば、(通常の姿勢で運転していないと判断したら警報を鳴らすなど)冒頭のような無謀運転を防げるだろう。たとえば、日産アリアのドライバーモニターシステムは、メーター手前にあるカメラが、運転者の目、鼻、口、顔や頭の形などの特徴を認識し、走行中に運転者が一定時間以上、眼を閉じたり顔の向きを前方から大きく外したりするなどをすることで、システムが居眠りや脇見と判断すると、音と表示で警告を出す。
トヨタも同様の機能を持つが、ドライバーの急な体調急変を検知すると、クルマが自動減速して停止までする機能も備わっている。また、スバルのドライバーモニタリングシステムでは、脇見や居眠り検知のほかにも、シートポジションやドアミラー鏡面角度、ユーザーの平均燃費表示、ドライブモードセレクトなど、ユーザー情報に連動したパーソナライズ機能も提供するなど、めちゃくちゃ優れたアイテムとなっている(当然、コストはかかっている)。
ドライバーの操作によらないで走行している以上、監視するべきドライバーの監視は必要
トヨタは、ドライバーモニターカメラを現行車のラインアップへ順次、拡大採用している状況だ。MIRAI、レクサスLS、カムリ、ノア/ヴォクシー、クラウン、プリウスなど、新型モデルへ標準搭載し始めた。日産は、スカイライン、アリア、セレナ、エクストレイルにドライバーモニターカメラを設定し、プロパイロット緊急停止支援システム(SOSコール機能付き)としてグレード別に搭載している。
ホンダも、開発中のホンダセンシング360の次世代版にて、ハンズオフ走行支援機能と合わせて、ドライバーモニターカメラを全車標準搭載する計画を立てている。またマツダも、ドライバーモニターカメラによるドライバー異常時対応システム(DEA)をCX-60に初搭載した。順次、搭載車種を増やす方針だと公表している。スバルは、フォレスター、レヴォーグ、レガシイアウトバック、クロストレックなどにドライバーモニターカメラを設定している。
どの国内自動車メーカーも搭載車種を増やしてはいるが、比較的、高額車種のみにとどまっているのが現状。冒頭の件は言語道断な行為ではあるが、そればかりではなく、突然の体調不良なども考えられる。クルマがドライバーの操作によらないで走行していて、そのシステムをドライバーが監視する必要がある以上、ドライバーの状況をモニターすることは必要だと思う。ACCなどの先進運転支援が搭載されるならば、価格帯を問わずドライバーモニターカメラもセットにして搭載する必要があるのではないだろうか。
【画像ギャラリー】常にドライバーの状況を監視してくれる!! ドライバーモニターカメラが備わる日産「アリア」(14枚)画像ギャラリー
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