■戦後に再び花開いた観光バス
1941年に太平洋戦争が始まると観光バスは一旦途絶えることになるが、戦後には日本の復興の象徴として続々と再登壇していった。
特筆すべきは、1948年8月設立・1949年3月から東京周辺を巡る観光バスを走らせ始めた新日本観光だ。実はこの新日本観光、前述した東京遊覽乘合自動車を原点に持ち、今日の「はとバス」と表現すると非常に通りが良い事業者である。
2023年現在、東京・神奈川周辺の観光の日帰りツアーだけでも40種類以上が用意されており、はとバスは観光バスの中でもフラッグシップ級の存在と言える。
ちなみに、はとバスのトレードカラーである黄色(レモンイエロー)に塗られたバスが初登場したのは1971年5月で、1979年3月に統一された。「すぐ見つけられる、目立つ」などが黄色を選んだ理由とのこと。
また、一口に観光バスと言っても、法律的に見ると色々なスタイルがあり、上記の一連の観光バスは、今日で言うところの「定期観光バス」に該当、または良く似た性質を持っている。
定期観光バスは、決まった日の決まった時間に決まったルートを走るのが基本となっており、法律上は路線バスの一種だ。とはいえ定期観光バスには普通の路線バスとは一線を画す独特な魅力がある。
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