ゴム系パーツ最大のタイヤ、メンテナンスの注意点は?
ボディ洗車後、サイド部で大きな面積を占めるタイヤもツヤツヤになっていると気持ちがいいのは確か。そんな時にタイヤワックスを使う人も多いだろう。
タイヤワックスには油性と水性がある。油性のタイヤワックスは施工後にツヤツヤとなり、水性は自然な黒さとなってある意味「ツヤ感がない」と感じてしまう。カー用品店には数種類のタイヤワックスが置かれているが、気をつけるべきはこの「水性か油性か?」という点。
タイヤのゴムには油性の劣化防止剤が配合されており、これが柔軟性を保って硬化やヒビ割れを防いでくれている。ところが、油性のタイヤワックスを使うと、ワックスに含まれる石油系溶剤によってこの劣化防止剤がどんどん外に浸み出してしまい、タイヤは早期に硬化・ヒビ割れを起こしてしまうのだ。
タイヤをきれいにするのに一番良いのは水洗いだが、タイヤワックスを選ぶなら容器裏面のラベルをよく確認して選びたい。
また、タイヤは「スリップサインが出てきたら交換する」という人が多い。タイヤのミゾの残量が1.6mmになるとスリップサインが出てくるが、このスリップサインが出ていなくても交換時期を迎えることがある。
それがタイヤサイドなどにできるヒビ。頻繁に使うクルマのタイヤは、走ることでタイヤを常に変形させて柔軟性を保てるのでヒビとはほぼ無縁なことも多いが、毎日使うわけでもなく走行距離があまり延びないタイヤは、ミゾが十分にあるのにヒビが発生することが多い。このタイヤに発生したヒビが内部のコードにまで達すると、特に高速走行時にバーストする危険をはらんでいる。
よってタイヤ交換時期は、スリップサインのみをチェックして判断しないほうがいい。交換を考えるべき目安は以下のとおり。
・残りミゾが50%ほどになった場合
・装着して5年が経過した場合
・ヒビ割れや偏摩耗が起きている場合 など
ゴム系パーツが寿命を迎えたら?
「補修」は不可、「交換する」しかない。以前、ドライブシャフトブーツが裂けた部分を補修剤で修理したクルマを見たことがあるが、見事に裂けていてグリスが飛び散り、車検に通らない状態だった。
かつて、ドライブシャフトブーツは該当部分を分解してからシャフトに入れ直す必要があり、交換作業は知識と経験、必要な工具を揃える必要があった。そのため、オーナーが補修剤で修理したのでは? と思われる。しかし、今では多くの車種用の「分割式」のブーツが販売されており、ある程度メカに詳しい人であれば自身で交換することも可能となった。
ただし、交換する際は安全面に気をつけて作業を行ってほしい。
ゴム系パーツは10年で交換!
もう一例。初年度登録が15年ほど前の国産車の「ウォッシャー液を補充したのに、ノズルから噴射されない」と友人から相談を受け、原因を探ったことがある。
レバーを操作すると作動音は聞こえるが、確かにまったく噴射せず。ウォッシャー液の通るゴムホースを見るとヒビ割れが数カ所起こっており、ここから漏れていることはわかった。手元にあったサイズのちょうど良さそうなホースに交換するためにクルマについていたホースを触ると……ボロボロと簡単に崩れてしまった。
しかも、ホースだけでなく樹脂製ホースガイドもボロボロに崩れた。たかだか15年ほどでここまでゴムホースが劣化することにかなり驚いたが、と同時に「その他のゴム系パーツ、ブレーキホースなんかもこうなっているかも……」と思いゾッとした経験がある。
「国産車のタイミングベルトは10年・10万キロで要交換」「ゴム系パーツは10年経ったら要交換」と言われるが、確かにそのとおりだと思ったのだった。
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