かつて日本の自動車評論家たちが絶賛した「ドイツ車らしさ」とは結局なんだったのか?

国産メーカーは「不要」と考えているのかもしれないが…

 そのため、いまでも「ドイツ車らしさ」とできるのは、ドア開閉音くらいではないだろうか(ただ昨今は、ドイツ車であっても、軽い操作で閉じられるようなドア(音質も軽くなった)が増えており、ドイツ車であっても全車が「ドイツ車らしい」とはいえなくなってきたが…)。

 国産メーカーは、ドア開閉音について、(やる気になれば可能だけど)過剰な演出は不要だと考えているのかもしれないが、かつて国産車とドイツ車の走行性能に差があった時代を過ごし、ドイツ車に憧れていた世代としては、あのドイツ車のドア開閉音に価値を感じてしまう。

 試乗する際の入り口となるドア開閉音が期待外れだと、中身が素晴らしくても、(もちろん評価者として、性能分解をしっかりとして評価をしているつもりだが)どこか残念に感じてしまうところはある。クルマ好きおじさんとしては、国産車からも、あの「ガキンッ」といったドア開閉音が聞こえるようになったら、ものすごく嬉しい。

これまでに、ドア開閉音が感動的なレベルで良かったのが、ポルシェ。金属同士が擦れ合うような「ジャキンッ」という音質が素晴らしかった
これまでに、ドア開閉音が感動的なレベルで良かったのが、ポルシェ。金属同士が擦れ合うような「ジャキンッ」という音質が素晴らしかった
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