ハイブリッドで「元を取る」は無謀なのか? 究極の損得勘定をせよ 

■燃料代の差額で価格差を取り戻しやすい車種

【トヨタC-HR】

(1)ハイブリッドと1.2Lターボエンジンの差額:324,000円
(2)購入時に納める税金の差額(GとG-T):102,000円
(3)最終的な差額/(1)-(2):222,000円
(4)1km走行に要するガソリン代 HV:5.8円 1.2Lターボ:11.5円
(5)1km走行に要するガソリン代の差額:5.7円
(6)約3.9万kmを走れば燃料代の節約で(3)の最終的な差額を取り戻せる

約3.9万kmで価格差を回収できるC-HRのハイブリッド。通勤に使わないドライバーでも5年も乗れば燃費だけでも回収できてしまう計算だ

CーHRの場合、1.2LターボのJC08モード燃費は16.4km/L、ハイブリッドは30.2km/Lだから、燃料代で2倍近い差が付く。

しかもハイブリッドとの価格差が324,000円と少ないから、3.9万kmで取り戻せる。

【スバルXV】

(1)ハイブリッドと2Lノーマルエンジンの差額:129,600円
(2)購入時に納める税金の差額(アドバンスと2.0i-Sアイサイト):29,600円
(3)最終的な差額/(1)-(2):100,000円
(4)1km走行に要するガソリン代 HV:9.2 2Lノーマルエンジン:11円
(5)1km走行に要するガソリン代の差額:1.8円
(6)約5.5万kmを走れば燃料代の節約で(3)の最終的な差額を取り戻せる

スバルのハイブリッドはスポーツ志向で燃費がそこまでよくないため、5.5万kmで元が取れる計算になる

スバルはフォレスターも含めて、ハイブリッドを搭載するアドバンスの価格を安く抑えている。

通常は30~50万円だが、XVの場合は129,600円と安い。ハイブリッドのJC08モード燃費は19.2km/Lだ。

2Lノーマルエンジンの16km/Lに比べてあまり良くないが(ハイブリッドの燃費数値はノーマルエンジンの1.2倍)、価格が安いために、5.5万kmを走れば燃料代の節約で価格差を取り戻せる。

【レクサスGS】

(1)2.5Lハイブリッドと2Lターボエンジンの差額:383,000円
(2)購入時に納める税金の差額(GS300とGS300h):193,700円
(3)最終的な差額/(1)-(2):189,300円
(4)1km走行に要するガソリン代 HV:7.6円 2Lターボエンジン:14.3円
(5)1km走行に要するガソリン代の差額:6.7円
(6)約2.8万kmを走れば燃料代の節約で(3)の最終的な差額を取り戻せる

エコカー減税を受けられない高価格車では、購入時の自動車取得税と同重量税の総額も高まる。

ハイブリッドはエコカー減税によって免税、あるいは大幅な減税になるため、最終的な差額が大幅に安くなる。

さらにガソリン代の差額も多額だから、レクサスGSの2.5Lハイブリッドと2Lターボの価格差は、2.8万kmを走れば燃料代の節約で取り戻せる。

■燃料代の差額で価格差を取り戻しにくい車種

【トヨタヴィッツ】

(1)ハイブリッドと1.3Lノーマルエンジンの差額:289,440円
(2)購入時に納める税金の差額(1.3UとハイブリッドU):52,500円
(3)最終的な差額/(1)-(2):236,940円
(4)1km走行に要するガソリン代 HV:5.1円 1.3Lノーマルエンジン:7円
(5)1km走行に要するガソリン代の差額:1.9円
(6)約12万kmを走れば燃料代の節約で(3)最終的な差額を取り戻せる

ガソリングレードの燃費が非常によいため、ハイブリッドでも燃費で元を取るのは12万kmが必要となり至難の業になりそう

コンパクトカーではノーマルエンジンも燃費性能が優れ、ヴィッツの場合では、ハイブリッドの燃費数値はノーマル1.3Lエンジンの1.4倍弱にとどまる。

つまりハイブリッドの燃費向上率が小さい。そのためにハイブリッドと1.3Lノーマルエンジンの差額が30万円以下でも、燃料代の節約で取り戻すには12万kmを要する。

仮に同じ燃費数値で、ハイブリッドとノーマルエンジンの差額が35万円に達すると18万kmに伸びる。

フィットなども同様で、1.5Lエンジン以下のハイブリッドは、損得勘定で不利になりやすい。

 

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