■(4)建物の代わり、一部として生活空間になる
路線車1台を組み込んだ家が登場する、北海道を舞台にした超長編テレビドラマがその昔人気を博したが、実際バスの車体を住居などに活用する例もなくはない。
部屋の一部としてバス車両を通常の建物と合体させた住宅や、町の集会所に廃バスを用いた例、移動式とはまた異なる据え置き型の図書館の施設にバス車体が使われている場所もある。
建物代わりの廃バスの特徴の一つに、風雨にさらされ腐食して天井に穴が開いてしまうのを防ぐため、バス車体の上に別途屋根を設けて対策を取っている様子が各所で見られる。
■(5)飲食店・物販店など店舗として機能する
最近は日本でも、フードトラックやキッチンカーを始め、物を販売する設備に自動車を使うコンセプトに馴染みが出てきた。そんな店舗をバス車両で担うというアイディアは何気に古くからある。どちらかと言えば食べ物系の割合が高い。
バス車両を使った飲食店で特に有名なのがラーメンだが、カフェや居酒屋、軽食スタンドなどなど、店舗ごとに提供する食べ物のジャンルはそこそこ広い。とはいえバス店舗の数は年々減っているようだ。
バスの飲食店・物販店には、ナンバーを取得して自走ができる移動式店舗と、特定の場所に廃バスを設置して営業する店舗の2通りが存在する。
ちなみに移動式店舗の場合、前から運転席 → テーブルとカウンター → 調理スペースというレイアウトが主流で、どうもこれは営業許可の関係でそうなるらしい。
引退したバスの転職先に注目してみれば、思いのほか多様性に富んでいるとわかった。
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