先日、遠出をした帰りに、有料道路から降りるため、自宅近くのインターチェンジでETCレーンを通過しようとした際、ゲートが開かないというトラブルに遭遇しました。もちろんETCカードは車載機に入っているし、有料道路に入る際はいつも通りに入ることができた(と思っている)のに、なぜ開かないのかと、かなり困惑しました。
筆者の例のように、ETCレーンに関するトラブルは多く、たとえば福岡都市高速と北九州都市高速では、令和3年度にゲートが開かずに急停止した件数は、合計で12万5400件もあったとのこと。ETCレーンでの急停止は後続のクルマに迷惑がかかるばかりか、事故に繋がる可能性もあることから、できるかぎり避けたいものです。
ETCレーンのゲートが開かない原因と、開かなかった場合の対処法、そしてゲートが開かない状態で通行してしまい、未払いのまま放置してしまった場合の恐ろしい請求についてご紹介します。
文:吉川賢一
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写真:Adobe Stock、写真AC、NEXCO西日本
大半がカードの入れ忘れ ただカードの破損や速度超過でもゲートが開かないことが
JAFによると、ETCゲートが開かない原因の約65%は、ETCカードの差し忘れや差込み不足にあるそう。有料道路に入る際にETCカードを入れるのを忘れていたケースのほか、サービスエリアでクルマを離れるときにカードを抜いたのを忘れていたというケースもあるようです。また約33%はETC非搭載の車両の誤進入で、残りがETCカード破損等。ETC車載機側の故障や、ETCカードの磁気不良なども、一定の割合で発生しているそうで、筆者もこの磁気不良によって、ゲートが開かなかったようです。
磁気不良の要因は、ICチップの歪みや摩耗、高温状態での放置、静電気によるICチップの故障、錆、汚れなどがあるようです。筆者はトラブルのあと、カード会社に問い合わせ再発行をしてもらいましたが、申請から約2週間かかりました。
ゲートが開かない原因にはほかにも、速度超過や車載器アンテナ周辺に無線通信を阻害する物があることで、無線通信が正常に作動せず、ゲートが開かないことがあるようです。
ゲートが開かない状態で通行してしまい、未払いのまま放置すると、3倍の通行料金を払うことに
ゲートが開かず緊急停止した場合、4輪車の場合は、直ちにハザードランプをつけて、後続車へトラブルを知らせることが重要。しばらくすると、係員からインターホンで案内がありますので、窓を開けてクルマに乗ったままで待機します。2輪車の場合は、後続車に注意しながら、バーを避けてETCレーンから退避します。入口料金所ならば係員の指示に従い通行券を受取り、出口料金所で一般レーンを利用して清算、出口料金所であれば、係員にETCカードを渡すなどで、清算をしてもらいます。
ゲートが開かない状態で通過できてしまった場合でも、料金所または管轄の道路会社に必ず連絡をするようにしてください。通行料金未払いのまま放置してしまうと「不正通行」となり、道路整備特別措置法第26条により払うべきだった通行料金に加えて、割増金(払うべきだった通行料金の2倍に相当する額)を請求されることがあります。さらに、不正通行を繰り返すなど悪質性が高いと判断されると、道路整備特別措置法第59条により刑事罰(30万円以下の罰金)が科せられることにも。「ラッキー」などと思わずに適切に支払いをするようにしてください。
コメント
コメントの使い方ETCカードは磁気ストライプはないので磁気不良はあり得ないと思います。ICチップ不良だけですよね