■電動パーキングのデメリット
電動パーキング装着車を運転していると、「これだとスピンターンができない」と50代以上のおじさんはそう思ったはずだ。そう、電動ブレーキだと、スピンターンができないのだ。
スピンターンとは、おじさんたちは知っているが、知らない人のために説明しておくと、走行中に前輪に荷重を移すと同時にステアリングを切り、旋回モーメントが立ち上がったところでサイドブレーキを引いてリアタイヤをブレークさせ、一気にクルマの向きを変えるというもの。
ジムカーナの180度ターンや360度ターンで使われるドラテク。降雪地帯ではステアリングが効かなくなった時に、サイドブレーキで向きを変えてコントロールすることもある。
しかし、電動パーキングブレーキでは、車速が0㎞/hの状態でなければ作動しないため、スピンターンができないのだ。
スイッチを作動させても警告音が出てキャンセルされるだけ、というクルマもある。最近は長押しすることで作動できる車種もあるが、この場合はワイヤーを手動で引くのとは異なり、かなり遅れて作動するので思うようにコントロールするのは難しい。
BMWは走行中に長押しなどの操作をすると、ドライバーが急に体調不良となり助手席の乗員(エアバッグ用にシートにもセンサーがあり乗車の有無が判別できる)が操作したと判断すれば、緊急ブレーキとして四輪のブレーキを作動させるようだ。これは前述のEBSとEPBが連携しているからこそ、実現できる制御だろう。
現時点でスピンターンが可能な電動パーキングを採用しているのが確認できたのはポルシェだけ。これもデフォルトの状態ではキャンセルされるが、スポーツモードを選んだ時には走行中でも電動パーキングブレーキが使え、スイッチを作動させれば即座に制動力が立ち上がるので、スピンターンも可能になっている。
今後は、ACCや安全装備がますます増えていくから、手動式サイドブレーキもなくなっていく運命にあるだろう。
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