ホイール全体を覆うフルホイールカバーといえば、以前はスチールホイールに装着するものだったが、最近は、アルミホイールにフルホイールカバーを装着する新型車が増えてきた。トヨタ新型「プリウス」や日産「ノートオーラ」、日産「アリア」などが、アルミホイールの上から樹脂製カバーを装着している。なぜアルミホイールにフルホイールカバーが必要なのだろうか。
文:吉川賢一
写真:TOYOTA、NISSAN、エムスリープロダクション
デザインのほか、燃費対策が目的
これまでのホイールカバーといえば、ホイールのドレスアップという目的のほか、ハブ周りにホコリや水が侵入するのを防ぐという目的があった。むき出しとなっているハブ部分は錆が生じやすく、砂や埃、泥汚れなどが堆積することで、水分が錆を進行させてしまう。アルミホイールの場合も、メーカーのエンブレムをいれたオーナメントを、ホイールセンターキャップとして装着しているケースが多い。
だが、新型プリウスのUグレード用に用意されている17インチタイヤには、アルミホイール全体をカバーするガンメタリック塗装のフルホイールカバーが装着されている。(カバーされている)アルミホイール自体もデザインはカッコよく仕上げられているので、あえてカバーを装着する必要もないように思うが、トヨタによると、ホイールデザインと、エアロダイナミクスの改善による「燃費対策」の2つが目的だという。フロント周りからボディサイドに流れてきた気流をタイヤ周りで乱さぬよう、フラットな面を強調したホイールデザインとしたそうだ。
プリウスのCd値は、初代の0.30から始まり、2代目0.26、3代目0.25、先代4代目が0.24、そして新型である5代目が0.27だ。新型プリウスのCd値は、数字だけみると2代目よりも悪化している状況だが、幅細タイヤ(205幅→195幅)と低全高(マイナス40mm)によって、抗力に関わる全面投影面積が小さくなったことで、抗力自体は低く抑えられているそう。フルホイールカバー自体がCd値にどの程度の効果があるのかは教えてもらえなかったが、効果は間違いなくあるものと考えらえる。
コメント
コメントの使い方空力、燃費に貢献するのは想像に難しくないけど、最近は減ったとはいえど時折脱落したホイールキャップが道端に落ちてるのを考えると、良いイメージは無い
普通のアルミホイールに付けられるホイールキャップは出来ないものか。
誤 全面投射面積
正 前面投影面積