BMW人気が日本でも根強い理由は?
日本においてはメルセデスベンツとはひと味違うドイツ車として、知る人ぞ知るブランドだったBMWの認知が全国まで浸透した最大の要因は、やはりバブル時代に“六本木のカローラ”とさえ言われたE30系3シリーズ人気によるところだろう。
同様に“小ベンツ”などと揶揄されていたW201系メルセデスに対して、当時の3シリーズはカッチリ引き締まった乗り味やクイックなハンドリングなどで走りの性格を歴然と違えていた。
BMW自身も意図していたスポーツセダンというカテゴリーは、日産のスカイラインに特別な思いを抱く向きが多かった日本の車好きにとっても相性のいいものだったことは想像に難くない。
が、近年、メルセデスをはじめ多くのプレミアムブランドがスポーツ性を自らの価値として追求し始めたことで、相対的にBMWの走りやハンドリングこそが他銘柄との決定的な違いとは言えなくなっていたのが実情だ。
G20系新型3シリーズは、その現況を一気に覆すスポーツセダンの再定義が最大のテーマになっていると個人的には受け止めている。多少は乗り心地面を譲ってでも徹底的にフットワークを引き締めて走りに備えてきた、そこには走りこそが自らのコアという彼らの覚悟があるのだろう。
【渡辺敏史】
なぜBMWモデルのハンドリングは高く評価される?
自身、初めて購入したクルマは323iという初代3シリーズのE21型。直6の2.3Lエンジンを搭載した4速MT仕様を中古で購入。はっきり言って程度は酷かった。
その頃、すでにビートたけし氏の運転手をしていたので、その時代の最新のポルシェ911のステアリングを毎日のように握っていた。だけど、新車の911に比べても程度が悪いのにこの323iのハンドリングは素晴らしく、どんどんBMWという車にのめり込んでいった。さらにグループAレース時代にはE30のM3で戦った。
E30のハンドリングは本当に素晴らしく、名だたる外国人ドライバーとのバトルが楽しかったし、自分を鍛えてくれたマシンだった。
BMWの魅力はハンドリングへのこだわり。FRであること(最近は変わってきたが)、前後荷重配分をかぎりなく50:50にすること。そのために新素材にも着手。EVのi3はアルミスペースフレームとカーボンボディをドッキングさせている。
M3とM4もプロペラシャフトにカーボン材を使用。スチール製に比べると、中継するユニバーサルジョイントを省略して1本化できるので大幅な軽量化が可能なのだ。
ハンドリングのいい車は安全。すべての技術はハンドリングのため。そんな姿勢がBMWの魅力だ。
【松田秀士】
BMWで今イチな部分はある?
ドイツ人は大柄な人が多い。ドライビングポジションがそっちに合わされている。大柄な日本人なら問題ないと思う。
しかし、ボクのように小柄な場合はちょっとポジションに苦労するかも?
まず、これはメルセデスベンツにもいえることだが、シートの座面長が長い。先端が膝裏に当たって深く腰かけることができないモデルがある。まぁ自分の足の長さが問題なのだけれど、女性の場合はコレけっこう気になる人いるのではないだろうか? 純正で腰枕を販売してほしい。
それとチルト機能がもう少し下げられるようにしたい。ステアリングの位置が高く、シートの座面をリフトする必要がある。リフトで解決するが前述した座面長との関係で、ペダル操作に影響が出やすい。
そして、日本人の手にはステアリングが太すぎる。子どもの頃、鉄棒にぶら下がっていたのを思い出す。
また、ドアミラーがボディマウントではなくAピラーマウント。これにより小柄なボクなどはサイド方向の視界が見にくい。
もうひとつ、トヨタのラグジュアリーカーなら、雨の日サイドガラスを一度上下させるだけで雨粒は消え去り、ドアミラーの視界がクリアになるが、BMW車は雨粒を伸ばしただけの状態になり、クリアでない。
【松田秀士】
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