新年度を迎え、お祝いや歓迎などで飲酒の機会が増えるこの季節。特に今年2023年は、長く続いた感染症の不安も解消されつつあることから、大勢での飲食を楽しんでいる方も多いだろう。
いまどき、お酒を飲んだ帰りにクルマを運転して帰る人はいないだろうが(いないと信じたい)、翌朝はクルマを運転して通勤する、という人も多いはず。ただJAFによると、前夜の飲酒によって、翌朝でも運転操作ミスは多く発生するようだ。
文:吉川賢一
アイキャッチ画像:Adobe Stock_Pixel-Shot
写真:Adobe Stock、写真AC、JAF
飲酒前と飲酒直後、飲酒開始から10時間後それぞれの運転ミス等を検証
年々減少傾向にはあるものの、根絶するには至っていない飲酒運転。JAFは飲酒が運転にどのような影響を及ぼすのかと同時に、飲酒翌朝にも影響が残るのかを調べるため、実験を実施。実験は、6人のモニターに飲酒をしてもらい、飲酒前と飲酒直後、飲酒開始から10時間後の3パターンにおいて、アルコールチェックや歩行テスト、モニターへのインタビューとともに、運転シミュレータを使った運転で、ミスや事故の回数を検証する方法で行われた。
モニターは、男性が40代1人と30代2人、女性も40代が1人と30代が2人。飲酒量は一番少ないモニターでビール2杯とウイスキー1杯、ワインを一杯。最も多いモニターは、ビール2杯と焼酎1杯、熱燗1杯、ワインを6グラス、という量であった。
飲酒開始10時間後でも、影響は甚大
その結果、運転シミュレータによる運転での操作/判断ミスは、飲酒直後が、飲酒前の約4倍ともっとも多かったものの、飲酒開始10時間後も、飲酒前と比較して約3倍ものミスが発生。「呼気濃度は出なかったものの、運転パフォーマンスが普段よりも落ちた」とコメントしたモニターもいたという。
また同時に、(運転シミュレータによる運転時の)視野の広さや目の動きを各モニターにおいて検証したところ、飲酒前はミラーやサイドウインドウなどで周囲を確認していたが、飲酒後や飲酒開始10時間後には、ミラー等を確認することが減り、正面のみを見て運転する傾向があったという。
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