■「色」がつき始めたLED行先表示器
方向幕からLEDに世代交代して以降、バスの行先表示はオレンジ色という認識だったのが、最近はだいぶ変わってきている。
オレンジよりも更に明るく光り、遠くからでも行先がよく目立つ「白色」に光るタイプを近年よく見かけるようになった。
白色のLEDは、前述の青色LEDや緑色LEDがもたらした恩恵の一つだ。赤・緑・青を同じ強さで光らせて色を混ぜると、白く光っているように見える。
それを踏まえて、赤・緑・青に光るLEDチップを組み合わせて1個の器の中にまとめれば、白色LEDのできあがりだ。黄と青の2色でも白く光るLEDが作れる。
また、白色と合わせて、あらゆる色を表現できるフルカラーLEDも登場している。1個の器の中に赤・緑・青のチップが入っているのは白色と同じ要領だ。
フルカラーは各チップの光る強さを自由に変えられるのが特徴で、3色それぞれ光らせ方に強弱をつけて混ぜ合わせることで、様々な色表現を可能にしている。
白色/フルカラーLEDともに、バス用行先表示器に活用さるようになったのは2010年代の前半からで、新しい部類に入る。オレンジ、白色、フルカラー3種の中では、フルカラーLEDの行先表示器が最もハイグレードとなっている。
2023年時点では、全国的にまだまだオレンジが多数派で、白色が躍進しつつあり、フルカラーは局地的、といった印象を持つ。首都圏でまとまった数のフルカラーLED行先表示を導入している有名なバス事業者の例としては都営バスが挙げられる。
現時点ではLEDが総ナメをさらうバスの行先表示器。さらに今後どのように表示方法が変わり進化していくのか、大変気になるところだ。
【画像ギャラリー】3種に分かれるLED行先表示器のバリエーション(7枚)画像ギャラリー