■廃止の一途を辿るもやっぱ必要!? むしろ兄弟車は増えるべき
サクシードとプロボックス、タンクとルーミーといった多くの兄弟車は、ちょっとだけキャラを変えましたという程度。商品ラインナップ上は、片方が残ればそれでいい。
そもそも販売チャネルの客層に寄せてデザインを変えた程度なので、ラインナップが統一されればお役御免となるのは当然の流れだ。
ヴェルファイアも、元は販売チャネルに寄せたデザイン変更からスタートとしたが、その変化が他の兄弟車よりも大きかった。
結果としてアルファードとヴェルファイアはそれぞれ違う個性が立ち、商品として残す価値があるのだ。
似ていない(個性の違う)兄弟車なら、販売ラインナップが統一された今でも、新しく登場させていいと筆者は思う。
スポーティーでシャープなシエンタ、ギラギラ系でイケイケのハリアーなど、既存の人気車種に真逆のエッセンスを加えた兄弟車が生まれることは、ユーザーの選ぶ楽しみにもつながるはずだ。
ただ、いくら兄弟車とは言え製造コストは1車種よりも兄弟車がある方が高くなる。
よほどの勝算が無ければ、今後兄弟車が増えるということは無いと思うが、一概に兄弟車という存在が悪ではないということは、一言付け加えておきたい。
「個」が立つクルマは、生き生きとしている。ヴェルファイアの存続が意味するのは、トヨタが兄弟車を多数発表していた時代にも、それぞの「個性」を大切にしていたということ。
15年以上も前から、こうしたクルマ作りが続いており、現在のトヨタが成り立っている。
中身は同じと揶揄される兄弟車を、ユーザーに愛されるように作るのは非常に難しい。ヴェルファイアは、これを平然とやってのけるトヨタの開発力が世界トップレベルにあることを証明している。
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