■録画映像をスマホでストリーミング再生
今回の工場装着製品でもう一つ新しいのは、ミラーに差し込んだマイクロSDカードに録画された動画を、スマホの専用アプリにてWiFiで飛ばして手軽にストリーミング再生できることだ。万一の事故などの際にも、パソコンがなくてもスマホで素早く状況を検証できるので便利だ。
さっそく、ヤリスを試乗して、録画した動画をスマホでストリーミング再生する機能も試してみた。
最初に、アップルストアかグーグルプレイで「Toyota Smart Viewer」をダウンロードして立ち上げる。次にインナーミラーのWiFiボタンを押してスマホと接続すると、直近に撮影された動画が一本1分の長さでずらりと表示される。
これをタップすればすぐに高画質のMPEG-4動画が再生できる。前後のカメラ映像の切り替えもタップするだけだし、もしぶつけられたりして警察を呼んでも、その場で再生して検証できる。なるほど、これはクルマ内で定位置を確保しているインナーミラー一つで、ドラレコも兼用できる優れものだ。
ちなみにこのミラーを製造するジェンテックスは、アメリカミシガン州に1974年に創業した自動防眩ミラーの世界No.1メーカーで、トヨタをはじめ、世界中の自動車メーカー35社にインナーミラーやサイドミラーを年間4200万個も納入している。
自動防眩ミラーに加え、最近はカメラ映像を写すデジタル(電子)ミラーを採用するクルマも増えており、2020年には世界で初めて、ドラレコ付き電子ミラーが工場装着およびオプションとしてトヨタハリアーで発売された(その後、RAV4にも設定。ヤリスやアクアとは違うタイプ)。
デジタルサイドミラーについてはまだ進化途上で、カメラを内蔵しつつミラーとして機能するハイブリッドタイプ(写真左)と、完全にカメラに特化したデジタルミラー(写真右)が存在する。
ハイブリッドタイプはインナーミラーの端に両サイドの映像を映し、フルデジタルタイプは車内の別モニターに映像を映す。後者はレクサスESやアウディe-tronの例がある。
ジェンテックス・ジャパンの松田氏に普及が進まない理由を聞いたところ、「映像を表示するモニターの位置に慣れが必要なこと」などが課題だろうとのこと。
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