2023年5月20日15時30分頃、ウクライナのゼレンスキー大統領が広島空港に降り立った。2019年10月の即位礼正殿の儀に出席されて以降、ましてやロシアによるウクライナ侵攻後、戦時下では初の来日となった。
ゼレンスキー大統領訪日の瞬間をベストカーWeb取材特派員がとらえた。その瞬間をお伝えしよう‼
文・写真/有村拓真
機体に「フランス」と描かれた飛行機の正体は?
ゼレンスキー大統領到着時の様子はニュースで見た方が多いことだろう。その瞬間、あれ? と思ったのではなかろうか? 機体には『REPUBLIQUE FRANCAISE』と記され、垂直尾翼にはフランス国旗を連想させるトリコロールが描かれている。
なぜフランス?
そう、今回、ゼレンスキー大統領が使用したのはフランス空軍の政府専用機、エアバスA330-200なのである。
この機体を使用した理由は、ゼレンスキー大統領がフランスのマクロン大統領に要請し実現したものだったのだ。マクロン大統領は「ウクライナへの支援体制としてあらゆる手段を提供する用意がある」というコメントからも、兵器等の支援のみならず、大統領の移動手段にまで貢献している。その結果、ゼレンスキー大統領側からの要請に応え、フランス政府専用機を訪日移動のために手配したのであった。今回は前訪問地だったサウジアラビアのジッダから広島へと飛来した。
広島空港に待ち構えていたBMW7シリーズの正体は?
そしてタラップを降りてきたゼレンスキー大統領が乗り込んだのは1世代前のBMW7シリーズだ。これは日本政府が用意した防弾仕様の特別仕様なのである。
BMWが架装等を手掛けるHigh Security仕様と呼ばれる要人専用車で、重架装の防弾装甲が施されている。同車は2010年に横浜で行われたAPEC首脳会合でも活躍しており、久しぶりに活躍する姿が見られた。
今回のG7広島サミットでは岸田総理大臣(総理専用車=センチュリー)とバイデン米国大統領(本国から持ち込んだ大統領専用車)を除いて、基本的に同仕様のBMW7シリーズが各国首脳の移動に貢献しているが、中にはシルバーの個体やスモークの有無など細かな使用違いが存在している。ちなみにG7伊勢志摩、G20大阪ではメルセデスベンツが架装を行うSクラスのGuard仕様が活躍した。
広島空港からサミット会場に向かうゼレンスキー大統領の車列は警視庁のパトカーを先導に、山梨や千葉などのフーガ警護車などで警護に当たっていた。この車列は5月中旬深夜に広島市内で行われた車列の走行訓練でも確認されており、ゼレンスキー大統領来日を想定した訓練だったのかもしれない。
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コメント
コメントの使い方日本国内でならやはり国産車でなければならないでしょう。法律を作って外車での要人輸送は禁止にすべきです。