■サーキットは延々と走るのでなく「繰り返し走る」
上記の車重増とも関係するのだが、EVセブン開発最大の難関は、やはりバッテリーマネジメントにあったようだ。サーキット走行を想定すると、バッテリーへ過酷なまでの負荷がかかるためだ。
これを解決するために、ケーターハムはバッテリーシステムに直接液浸冷却方式を採用し、バッテリーの熱損を最小限に抑える工夫を施した。冷却に使う非電導液体の開発は、ケーターハムの長年のパートナーであるモチュールが手がけたという。
ちなみにEVセブンのバッテリー容量は51kW。車重を考えると十分なサイズだが、サーキット走行を考えると不安もある。そこでケーターハムが想定したのが「20-15-20」というサーキット走行サイクル。20分サーキットを走ったら15分で充電し、再び20分の走行しようという発想だ。
延々と走るためにバッテリーを大きくするのではなく、急速充電に強いバッテリーを積んで繰り返し走ろうというこの発想、今後の電動スポーツカーにも有効な策といえそうだが、EVセブンはこの走行サイクルを実現するために、バッテリーの充電容量を152kWhの急速充電にも耐えうるものとした。15分あれば38kWがチャージされる理屈だが、このあたりは実際の運用を見てみたいものだ。
最後になったが、EVセブンのパワーは240ps/250Nm。0-100kgを4秒でこなし、最高速はおよそ210kmに達するという。モーターやインバーターはLSD付きの後輪eアクスルに一体化されているので、前後の重量バランスも良好そうだ。
とかく重いと指摘されるEVの世界において、ケーターハムがEVセブンを発表した事実は大きい。EVが当たり前になったとしても、ライトウェイトスポーツの火が燃え盛ることを期待したい!
【画像ギャラリー】今どき700kg以下の車重は神! EVセブンのお姿やスペックをチェック!(23枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方