■走りも良し!! チョイ乗りでもポテンシャルの高さを感じることができた!
さて、チョイ乗りで感じた新型クラウンスポーツの魅力についてだが、まず感じたのは回頭性の良さとコーナーでの安定感の高さだ。クロスオーバーの走りとは根本的に異なり、動き出しの遅れが小さくなっている印象。
微舵でも大操舵でも、切ったぶんだけフロントがくるっと回り込み、リアもそれにすぐさま追従するので、クルマがグイグイと曲がっていく感覚がある。
実に軽快でクイックなハンドリングだ。クロスオーバー同様に、可変ダンパーのAVSもついていたが、ロールやピッチ姿勢を安定させた上で、21インチタイヤからの突き上げを感じさせない乗り味となっている点は、すばらしいレベル。
試乗はショートサーキット数周だけなので、乗り心地やノイズといった質感までは把握しきれなったが、ポテンシャルの高さの片鱗は、しっかりと感じられた。
■国内ではライバル不在 ただ欧州車には及ばないところとはどこか?
新型クラウンスポーツについては、まだ価格が発表となっていない。
筆者が予想している価格は、ハイブリッド車がクラウンクロスオーバーと同程度となる435万~570万円程度、プラグインハイブリッド車が、ハリアーPHEV(620万円)とレクサスNX PHEV(725万円)の間となる670万円程度だ。
この価格帯からライバルを探せば、身内であるハリアーやレクサスNX、他社ではマツダの「CX-60」といったところになる。
絨毯の上を走るかのような乗り味を備えるクラウンクロスオーバーRSと同じデバイスを搭載する新型クラウンスポーツは、これらのライバルに対し、一歩以上抜きんでた走行性能になるはず。
昨今のトヨタ車は、大径ホイールを装着していても、乗り心地がうまくつくられている。快速クロスオーバーSUVとして、新型クラウンスポーツは格別な存在となるだろう。
輸入プレミアムSUVにやや優位! インテリア良し悪しで勝負が決まる??
ただ、欧州プレミアムSUVに対してはどうかというと、優位にあるとはいえない。
新型クラウンスポーツPHEVのライバルとしては、ポルシェマカン(791万~1235万円)、メルセデスGLC(820万円)、BMW X3(790万~1017万円)といったところだ。
しかし、エクステリアデザインついては、(極太のマフラーエンドがないぶん、ライバルたちよりもリアの迫力感は薄れるものの)新世代電動スポーツSUVとして充分に魅力的なデザインだといえる。
やはりインテリアに関しては、あともう少し高揚させられる魅力がほしいところだ。特に、デジタルメーターの内部表示にはもっとこだわって欲しい。
走行性能に関しては、新型クラウンスポーツの売りのひとつであるPHEVユニットのパフォーマンスがどれほど高められているのか、最高速度に見合うだけの安定したブレーキ性能や、地面へ張り付くようなコーナリング特性などについては、チョイ乗り程度で実力を見抜くことはできなかった。
なんともいえないところではあるが、絶対的な「速さ」はやはり欧州車のほうに分があるように思う。
トヨタとしても、当然ながらこれら欧州のライバル車たちを見ながら新型クラウンスポーツを開発してきたであろう。
欧州市場を含めてグローバルでガチンコ戦うことになるクラウンシリーズが、同条件で走ったときに、どれだけの優位性を備えているのかは非常に興味深いところだ。
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