扱いやすいコンパクトなボディながら、荷物がしっかりと積めるスペース備えビジネスで活躍するトヨタ タウンエース。ハイエースと軽商用車の需要に押され、インドネシア製に変更となったタウンエースの出来はいかほどなのか?
※本稿は2023年5月のものです
文/渡辺陽一郎、写真/ベストカー編集部、トヨタ、ダイハツ
初出:『ベストカー』2023年6月10日号
■海外生産ならではの不都合な面も
2008年に登場した現行タウンエースは、ダイハツ製OEM車で、生産はインドネシアの工場が行う。
1998年以降は軽トラック&バンの荷室が広がり、ハイエースの販売も好調だから、中間的なタウンエースの需要は下がった。そこでダイハツのインドネシア工場製に変更したわけだが、商用車では、顧客が店舗を新設した時など「すぐに納車して欲しい」というニーズも多い。
インドネシア製のタウンエースは、コロナ禍前から輸入が滞りがちで、販売店からは「納期が不安定で売りにくい」という話が聞かれた。
■はたして実力は?
それでも全長が4m少々のボディは、最小回転半径が4.9mで小回りも利き、狭い裏道や駐車場でも運転しやすい。エンジンは前席の下に搭載するから、全長が短いわりに荷室長は2045mmと長い。
問題は軽商用バンのハイゼットカーゴも荷室長が1915mmを確保することで、税金の安さも考慮すると強敵になる。これらの事情でタウンエースの売れゆきは伸び悩む。
●令和5年通信簿
・日本ウケ:★★★★☆
・先進性:★★☆☆☆
・コスパ:★★★☆☆
・生産終了危険度:40%
●トヨタ タウンエース
・日本デビュー:2008年1月
・最新の改良:2020年6月
・2023年3月販売台数:約2050台
・2023年1〜3月販売台数:約4560台
コメント
コメントの使い方箱バンに関しては軽でも良いという場面はありますが、トラックだと軽では小さい、アトラスやエルフでは大き過ぎる顧客が居ます。ボンゴ(バネット)が無くなった今、程度の良いこのクラスの中古車は軒並み高値相場で零細企業では選択肢がない状況。なんとかハイゼットやキャリイに1300ccくらいで荷台を延長した小型トラックとか作れないんでしょうかね(過去にアトレー7みたいな車がありましたね)
このクラスでは長いことマツダボンゴが頑張ってたが、今はタウンエ-スのOEM。早い話、軽トラは車検が2年であるのに対し、1年と短い。そして使用用途にしても軽トラで十分事が足りるから。何もインドネシア製だからというよりニーズに有って無いからボンゴもモデルチェンジなしで20年以上頑張った。