クルマ好きを熱中させた全25台! 最後の昭和ランキング 【クーペ&オープン編】

 平成が終わろうとしている今、あえて魅力的モデルが多い昭和のクルマたちを4つのカテゴリーに分けて再評価する、題して「最後の昭和ランキング」。今回は「クーペ&オープン編」である。

 評価基準は「そのクルマが登場した時、いかに一般ユーザーやクルマ好きをときめかせたか」「その時代のエポックメイキング的クルマだったか」。 

 現在とは違って、各社から多数ラインナップされていたのがこのクーペとオープンカーのカテゴリー。

 厳選した25台には、トヨタスポーツ800、初代フェアレディZ、初代117クーペに初代CR-Xなど、読者の皆さんが青春を謳歌したであろうクーペが勢揃い。スポーツモデルは2車に超厳選し、4氏に評価してもらった。

※本稿は2019年3月のものです
文:御堀 直嗣、石川 真禧照、片岡英明、国沢光宏/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2019年4月26日号


■1位はトヨタ2000GT! しかし、いずれ劣らぬ昭和を彩った名車たちばかり

 ランキング結果は下表のとおりだが、1位はトヨタ2000GT。強かった。僅差で2位以下となったモデルたちも魅力溢れる名車ばかりだ。

名前横の数字は昭和●●年を表す

●1位 トヨタ 2000GT(昭和42年/1967年)

トヨタ 200GT

 魅力あふれる25車種のなかからトップに輝いたのはトヨタ2000GT。石川氏と御堀氏が1位に選出。この流麗デザインで最高出力150㎰、世界を陶酔させるには充分だった日本を代表するスポーツモデルの一台だ。

●2位 マツダ 初代サバンナRX-7(昭和53年/1978年)

 僅差で2位のRX-7。ロータリーエンジン(NA)搭載で、MCでターボが追加された。

●3位 トヨタスポーツ800(昭和40年/1965年)

“ヨタハチ”で親しまれたモデル。最高出力45㎰だが、走りの楽しさは折り紙付きだ。

●3位 日産初代フェアレディZ(昭和44年/1969年)

 軽量なモノコックボディで最速210km/hモデルも。速い&格好いいで、北米でも大人気。

●5位 日産スカイライン2000GT-R(昭和45年/1970年)

 愛称“ハコスカ”。写真の2ドアハードトップのほかに4ドアセダンなども。格好よすぎか

■コスモ、初代Z、2000GTと、40年代車が上位。やはり当時のユーザーをときめかせたということでしょうか?

(TEXT:片岡英明)

 昭和40年代は、日本の自動車メーカーが自動車先進国である欧米に追いつき、追い越そうと頑張っていた時期だ。

 40年代になるのを前に名神高速道路が全通し、その数年後には東名高速道路も部分開通している。100km/hクルージングが可能になったが、そのためには高性能であることが要求された。

衝撃のスタイリング。42年生まれのコスモスポーツは全体で6位。片岡氏は1位に選出

 この目標に向かってエンジニアは情熱を傾け、わずか数年で最高速度200km/hをマークする高性能スポーツモデルを完成させている。

 そういう時代背景があるなか、コスモスポーツを1位としたのは世界で最初の2ローターロータリーエンジン搭載車だったからだ。試行錯誤を重ね、苦労の末に完成させた。日本が世界に誇る快挙だから1位に推した。

 2位は北米市場を席巻し、メイド・イン・ジャパンの優秀性を世界に知らしめたダットサン240Z(フェアレディZ)である。

日産フェアレディZ

 このクルマが登場するまで、日本車のイメージはあまりよくなかった。売れるのは安いクルマばかりだったのだ。が、Zの登場によって日本車の印象はグッとよくなり、今につながる躍進の起爆剤となっている。

 トヨタ2000GTも外国のクルマ好きを驚かせるのに充分な実力の持ち主だった。

■ハコスカ、初代Z、5代目シルビア……個人評価で日産勢が上位を占めた理由は?

(TEXT/国沢光宏)

 これはもう簡単なこと。当時キッチリと走るクルマといえば、日産車しかありませんでしたから。それくらい日産の技術、ズバ抜けてましたね。

 例えば1位のハコスカ。ライバルといえば事実上トヨタのみ。飛行機を開発してた技術者集団がクルマ作りをしていた日産は(プリンス自動車です)、まだスペースフレーム&リジットのリーフスプリングの時代に、4輪独立懸架式を採用。

 さらに4バルブのツインカムエンジンなども開発してしまった。圧倒的と言ってよかろう。“平成が終わる現代のクルマ”と比べたって負けていない。


日産スカイライン2000GT-R。愛称は“ハコスカ”

 初代フェアレディZもダントツ性能だった。ハッキリわかるのがアメリカ。世界中のクルマが集まってくるアメリカで爆発的なヒット作となったのを見てもわかるとおり、1960年代終わりから1970年代にかけ、Zよりコストパフォーマンスの高いスポーツモデルは皆無という状態。日本になどライバルいるワケないです。

 いずれにしろスポーツ&クーペといえば、誰が何といっても日産車でありましょう!

 さらに、それらのモデルより少し時代は遅れるけれど、S13シルビアのオシャレ度と走りのレベルときたら出色の出来。今でも人気です。

今回のランキングでは中位に甘んじてしまったが、こちらも国産クーペの名車のひとつ、ジウジアーロ・デザインのいすず 初代117クーペ

■AE86が低評価になった理由はなんだと思いますか?

(TEXT/御堀直嗣)

 AE86は、カローラ系最後のFRクーペで、“ドリキン”土屋圭市が、富士スピードウェイのレースで大活躍したり、漫画の「頭文字D」で一躍注目を集めたりし、伝説的一台となっているのはわかる。そして、トヨタからはその後、86という名のスポーツカーも誕生した。

トヨタ AE86トレノ

 しかし、昭和にはもっと刺激的で印象深いクルマがあったということである。また、“昭和車”はFR車であることが当たり前であり、FR車というだけで評価されることもなかった。それが、このランキングに現れている。

 もうひとつ、AE86は、当時のトヨタの新世代ツインカムエンジ4A-GEを搭載していたが、それを低めのギアレシオで走らせる作りであり、よほど気合を込めて峠を走り回るならまだしも、日常的な運転で走らせた際にはエンジン回転が高くなりすぎ、必ずしも心地よく移動できない側面があった。

MR2とともに高速周回路を駆け抜けるAE86トレノ

 高速道路で、もう1速、オーバードライブ的なギアがほしいと思った記憶が今なお生々しい。クルマの総合バランスの面で、減点対象となる側面があった。

■コンパーノスパイダーが2位、べレットが3位。これらを上位にした理由は?

(TEXT/石川真禧照)

「おいっ、ボウズ、乗るか?」。学校の帰り、駅から家に歩いて帰る途中、ボクは突然、呼びとめられた。

 声の主は近所でも評判の不良。以前はバイクで飛ばしていたのだけれど、その彼がクルマを買ったようだ。以前から顔は知っていたけれど、親しく話したことはなかった。

 その彼が、ボクを呼びとめたのだ。しかも、乗っていけよと言われたクルマが、新車のコンパーノスパイダーだった。その走りとか、クルマの中での会話は覚えていない。それどころかホロが開いていたかも覚えていない(たぶんオープンだった?)。

ダイハツ コンパーノスパイダー

 でも、コンパーノスパイダーに乗せてもらったことだけは、凄くよく覚えている。当時、ボクの家にもクルマはあったが、RS40系のクラウン。スポーツカーに乗せてもらった鮮烈さで2位にした。

 ベレットGT、というか“ベレG”は、そのブリティッシュなスタイリングが、まず好きだった。GTRはのちにDOHCエンジンを搭載して、レースに出場。大先輩の浅岡重輝氏のドライビングがカッコよかった。

 この時の印象が忘れられなくて、同じ系統のエンジンを搭載したジェミニZZを購入したほどに、べレットGTRは好きだった。

いすずのべレットGTR

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