年間約4000台ってマジ!? 愛車を失う前に!! 車両火災を防ぐ方法4選 

EVだって火災を起こす! そしてこんな火災原因も!?

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EVに搭載されるバッテリーは大きなエネルギーを引き出せるが、実は発火しやすい特性があり、さらに消火が困難というやっかいな性質も持っている

 ここまで見てきたのは、燃料に使うガソリンに火がついたことによる車両火災だが、ガソリンをはじめとする化石燃料を一切使わないEV(電気自動車)にも火災発生のリスクはある。

 引火しやすい燃料を使うわけではなく、エンジン内での爆発もないEVは燃えないように思える。だが、実際にEVが炎上したという報告は多い。これは何が燃えているのだろうか?

 EVはバッテリーをエネルギー源にして電動モーターを駆動するが、このときの電圧や電流値は想像以上に大きく、これがモーターやバッテリー、周辺機器の温度を上げてしまう。

 同時にモーターや配線は火花の発生源になる可能性もある。そして発生した火花がバッテリーを発火させると、結果は悲惨なことになる。また、充電中にEVから発火したという事例もある。そう、EVではバッテリーが燃えてしまうのだ。

 現代のEVに数多く用いられているリチウムイオンバッテリーは、軽量で大きなエネルギーが取り出せる優秀なバッテリーだが、内部に使用される有機溶剤は非常に燃えやすく、一度燃え出すとその消火は困難だ。

 つまり何らかの原因でEV車が発火すると、それはクルマの全焼につながる可能性が高く、きわめて危険だ。

 このためメーカーでは燃えにくいバッテリーの開発を急いでいるが、現状で使われているバッテリーが燃えやすいのは事実で、EVの普及率が高い中国では、年間に約1万台(2022年調べ)ものEVが火災事故を起こしているという。

 やっかいなのはバッテリーそのものが発火元になりうることで、これは品質不良や経年劣化が原因。今後は我が国でもEVが増えることが予想されるが、火災事故は増えないことを祈るばかりだ。

 この他の車両火災原因には、以下のようなものがある。

・ウィンドウに装着していたアクセサリーの吸盤がレンズになってダッシュボードやシートを燃やす
・飲料のペットボトルがレンズの役割を果たして日光で発火
・車内に置いていたライターに日光が当たって温度上昇→発火
・人為的な放火による火災

愛車を燃やさないために心がけたいこと

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EVに限らず、ガソリン車用のバッテリーも火災発生の原因になりうる。端子がしっかり固定されているか定期的にチェックし、必要に応じて増し締めを行っておくとよい

 最後は、車両火災を起こさないために日頃から注意しておきたいことを考えたい。

●クルマのコンディションに気を配る

 排気系のヒビ割れや、燃料系の漏れが発生していないかこまめにチェックする。整備をディーラーやショップに頼んでいる人でも、定期的に愛車の状態を確認しておくことはけして無駄にはならない。EVの場合は、バッテリーが劣化していないかプロに見てもらうのもアリ。

●車内に燃えやすいものを置かない

 ライターなど、発火の原因となるものを車内に置きっ放しにしないようにする。スプレー缶も注意が必要なアイテムだ。

 先に紹介したアクセサリー用吸盤がレンズになって発火したというのも実際に起きたケースであり、透明な吸盤をフロントウィンドウに装着するのは避けるようにする。

●セルフ給油の際は細心の注意を!

 自身で給油作業を行う場合、引火の要因となるものが周囲にないことを確認する。もちろんタバコは厳禁だ。地面にこぼれたガソリンに引火してしまうケースもあるのでこちらも要注意。給油後は燃料タンクキャップをしっかり締めること!

●異常を感じたら速やかにストップ

 これは火災にかぎったことではないが、運転中に何か変だと思ったら、できるだけ早めに安全な場所に停車し、トラブルがないか確認する。事故が起こってからでは遅いのだ。

 大切なのは「自分のクルマは大丈夫だろう」と思わないこと。明日車両火災を起こすのは自分の愛車かもしれない――そうした気持ちを常に持つことが重要だ。

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