あの衝撃的な姿を、公道で目撃する日が近づいてきた。2019年に発表されたテスラのサイバートラックが、ついに量産に入ったとアナウンスされたのだ。改めてその歴史を振り返るとともに、日本導入や発売時期がいつになるのか予想してみよう!
文/ベストカーWeb編集部、写真/テスラ、Teslaconomics
■発表後4年近く経つのに市販されないサイバートラック
「こんなクルマ、本当に作れるのか?」。2019年11月21日に発表されたテスラのサイバートラックの姿を見たとき、誰もがそう思ったはずだ。
とにかくぶっ飛んだのはそのスタイリング。単純な平面と鋭いエッジだけで構成され、まるで素人が描いたコンピュータグラフィックスの失敗作みたいだ。鈍く光るボディはステンレス製で(※こいつが硬すぎて成形できないため平面デザインになったとのこと)、窓ガラスはテスラアーマーと呼ばれる防弾仕様という説明だったが、デモンストレーションでイーロン・マスクが見事にヒビを入れ、ジョークのネタにもなったりした。
そんなハプニングにもめげず、サイバートラックは世界中から熱狂的な支持を集めた。米WIRED誌の報道によれば、2023年6月までに全世界で180万人以上が予約金(100ドル)を支払ったとのことだが、市販モデルは、当初アナウンスされた2021年になってもいっこうに姿を現さず、さらに2年が過ぎようとしていた。
そんな矢先の7月15日、テスラがX(旧ツイッター)上で突如、「サイバートラックが生産に入った」と発表したのだ。生産を担うのはテキサスのギガファクトリー。トヨタが採用したことで一躍有名になった「ギガプレス」という工法を世界に先駆けて導入した、屈指の最先端自動車工場だ。
■動力性能はスーパーカーなみ!
改めて、サイバートラックの中身をおさらいしておこう。ボディは全長5885mm、全幅2027mm、全高1905mmで、北米のライトトラックのど真ん中ともいえるサイズ。車格的にはフォードのF150 やトヨタ タンドラあたりが近い。4ドアを備えた5人乗りだ。
ピックアップトラックのキモともいえる荷台だが、サイバートラックはいろいろと凝っている。まずルーフラインにそってシャッターでフタをすることが可能。こうすると運転席からは後ろが見えなくなるが、デジタルミラーによって視界を確保すると思われる。
さらにはバイクなどの搭載を容易にするため、荷台のテールゲート(後あおり)を開くとスロープが延ばせる。ただしこちらはコストもかかるため、オプション装備となるのかもしれない。いっぽう荷台下にサブトランクがあり、見せたくない荷物はここに隠せる。
パワートレインだが、もちろんフルエレクトリックで、1モーター、2モーター、3モーターという3つのバリエーションが選べる。1モーターはFR、残る2つは4WDだ。足回りは全車共通で4輪エアサスとなる。
パワフルなのはテスラのお家芸だが、サイバートラックも同様だ。1モーター仕様ですら0-100マイル加速を6.5秒でこなすが、2モーターでは4.5秒、モデルSプラッドと同じ3モーターともなると2.9秒という、スーパーカー並みのパフォーマンスを見せる。航続距離は順番に400km、480km、800kmだ。
価格だが、テスラはサイバートラックをベストセラーに育てたいらしく、予想以上にリーズナブルなものとなっている。2019年の発表会でアナウンスされたのは、1モーターが3万9900ドル(約579万円)、2モーターが4万9900ドル(約724万円)、3モーターが6万9900ドル(約1014万円)というもの。
その後、アメリカは強烈なインフレに見舞われたから、この価格がそのまま実現するとは思えないが、高い利益率をもとにテスラが思い切った低価格を打ち出すことはあり得る戦略といえるだろう。
コメント
コメントの使い方すでにレトロ感たっぷり。
あ、マインクラフトな世界感ではあるか、、、