軍手、タイヤ…昭和の道には落とし物がいっぱいだった!? 昔はよーくあったびっくりトラブル

軍手、タイヤ…昭和の道には落とし物がいっぱいだった!? 昔はよーくあったびっくりトラブル

 クルマの信頼性は常に向上していて、最近は故障を起こすことも少ない。しかし、昭和の時代はそうではなかった。今回は、若い人にはなじみがないけど、ベテランには懐かしいクルマのトラブルを振り返ってみたい。

文/長谷川 敦、写真/ホンダ、マツダ、写真AC、Adobe Stock、アイキャッチ/olando@Adobe Stock

昔の道路にはいろいろなクルマの落とし物が!?

●ホイールキャップの落とし物は日常茶飯事!?

平成・令和の若者には理解不能!? 笑ってられない!! 昔はよーくあったびっくりトラブル
路肩に放置されたホイールキャップ。30年くらい前まではこうした光景はありふれたものだった。しかし、最近のホイールキャップは脱落しにくくなっている

 本来のホイールに被せることにより、見た目を良くするのがホイールキャップの役割。シンプルな標準ホイール装着車であっても、ホイールキャップを使えば簡単にドレスアップが楽しめる。

 そんなホイールキャップだが、実は昭和、いや平成になっても路上に落ちていることがあった。だが、現在ではあまりこうした光景を目にすることはない。

 これは現在のホイールキャップの精度や剛性が上がっているのが理由だ。昔のホイールキャップは、走行中の振動などの影響により徐々にゆがみや緩みなどが生じてしまい、最後には脱落してしまうというワケ。

 ホイールキャップの脱落は運転中のドライバーが気づきにくいトラブルであり、外れてしまったホイールキャップは、哀れにも路上や路肩に放置されることになる。

 近年ではホイールキャップの精度が向上し、取り付け強度もアップしているため、路上にたたずむホイールキャップはほとんど見られなくなった。

●マフラーが落ちている!?

軍手、タイヤ…昭和の道には落とし物がいっぱいだった!? 昔はよーくあったびっくりトラブル
経年劣化によるマフラーの脱落というのは意外に多いトラブルだった。しかし、マフラーの改良が進むことにより、脱落事故はほとんど発生しなくなっている(andriano_cz@Adobe Stock)

 昭和のクルマでそこまで珍しくなかったトラブルがマフラーの脱落だ。そう、走っているクルマからマフラーが外れてしまい、そのまま引きずる、あるいは路上に落としていくというトラブルだ。

 この原因は、マフラーに用いられている金属が腐食したことにある。

 排気ガスには水分が含まれているが、そのガスをクリーンにする触媒がこの水を分解する。そして高温になったマフラーと水の作用によって金属が腐食し、最後にはマフラーを脱落させる。

 マフラーには消音効果もあるため、走行中にいきなりマフラーが外れると当然そのクルマからは爆音が発せられる。これでドライバーはマフラー脱落に気がつくが、残念ながらその場ではどうにもならない。

 昭和の道路では、こうした意図せぬ爆音とともに走るクルマを時折見かけることがあったが、マフラーの改良が進んだ現在では、脱落トラブルが起きることはきわめて少ない。

●どうしてタイヤが落ちていた?

軍手、タイヤ…昭和の道には落とし物がいっぱいだった!? 昔はよーくあったびっくりトラブル
路上に転がるタイヤ。トラックなどの多輪車では1輪が脱落しても気づかずに走り去ってしまう場合もあるが、さすがに4輪車の場合は走行を中止せざるを得ない(Ирина Рычко@Adobe Stock)

 現在では走行中の脱輪は大きなニュースになる。しかし、古の時代にはそこまで珍しいトラブルでもなかった。

 まずはタイヤそのものが車体から外れるトラブルがあり、主に整備時の締め付け不良が原因。これは現代でも起こりそうな出来事だが、メンテナンスを行う人間の意識向上やツールの進化により発生件数が減っているといえる。

 タイヤの摩耗が極度に進んでホイールから外れるというトラブルもあった。昔はタイヤケアに無頓着なドライバーも多く、タイヤの質も現在に比べれば低かったため、路上にはタイヤやタイヤの一部が落ちていることも多かった。

 当然ながら、これは大事故にもつながりかねないトラブルであり、現在において少なくなっているのは歓迎すべきこと。今後はより少なくなるのを祈りたい。

●軍手の落とし主は誰?

軍手、タイヤ…昭和の道には落とし物がいっぱいだった!? 昔はよーくあったびっくりトラブル
なぜか高速道路上に落ちていることの多い軍手。これも昭和の時代からよくある光景だったが、落ちているのが決まって片手のみなのには理由があるのか? 

 路上に落ちている片側だけの軍手は、昔だけでなく、現在でもたまに見かける光景だ。しかし、なぜ軍手が落ちているのか?

 この犯人(?)はトラックだといわれている。トラックの燃料タンクとそのキャップはボディの外にあることが多いのだが、軍手はその燃料キャップに被せて燃料漏れを防止するために使われる。

 長年使用した燃料キャップは、劣化や変形などによってシール力が低下し、きちんと締めたつもりでも燃料が浸み出してしまうことがある。そこで軍手を被せて、浸み出した燃料が路上などにこぼれないようにする。

 だが、被せただけの軍手が走行風によって外れてしまい、路上へと落下する。走行風の強くなる高速道路に軍手が落ちていることが多いのはこれが理由。

 軍手の落下はそこまで深刻な事態ではないが、路上にポツンと放置された軍手は、なぜだか見る者に哀愁を感じさせる。

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