■300馬力エルグランド!? エンジンにも手を入れたガチ仕様も
そして2007年には2代目エルグランドライダーをベースに、走行性能にまで磨きをかけた「パフォーマンススペック/ハイパフォーマンススペック」を投入。
このモデルは、ライダーが持つ魅力的な内外装はそのままに、専用チューニングが施された足回りや、開口部の大きなミニバンの弱点を補うボディ補強やYAMAHA社製のパフォーマンスダンパーなどを組み込んでハンドリング性能を高めたもの。
さらにハイパフォーマンススペックでは、ポート研磨、イリジウムプラグ、専用ECU、低排圧マフラーといったエンジンチューニングを実施。
そに加え、ファイナルギアやATの変速スケジュールにまで手を加えることでワンランク上の走行性能を実現したものとなっていたのである。
このハイパフォーマンススペックは2011年に3代目エルグランドをベースとしたライダーにも投入。
こちらでは2代目と同じく専用の足回りやボディ補強のほか、エンジンチューニングによって+20PSの300PSを発生するエンジンや19インチホイールが装着されており、先代よりもさらに走行性能に磨きをかけたモデルに仕上がっていたのだ。
■走りはノーマルと一緒に……ライダーからオーテックにチェンジ
そんな唯一無二の特徴を持っていたライダーであったが、2020年10月に実施されたマイナーチェンジのタイミングで、新たに設定された「AUTECH」とバトンタッチする形で終売となる。
新たに登場したAUTECHは、プレミアムスポーティを標榜するモデルで、内外装の質感などはかなりのレベルとなっていることは間違いない。
だが、ライダーハイパフォーマンススペック時代に存在した走りにまつわるチューニングが一切なされていないという大きな違いが存在している。
もともとエルグランドはフラッグシップミニバンとして高い資質を備えていたことはもちろんだが、その走りの素性のよさも人気のひとつとなっていたことは間違いない。
だからこそオーテックもハイパフォーマンススペックを2代に渡って設定してきたハズだ。
それだけに過去の他車種のAUTECHモデルに設定されていた「SPORTS SPEC」のような、走りにまつわる部分にも手が加えられたグレードが欲しいところ。
奇しくも先陣フルモデルチェンジを果たしたヴェルファイアには2.4Lターボエンジンを搭載し、専用のボディ補強が施された仕様が追加されており、遅きに失した感もあるが、果たして……。
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